韓国の中央銀行は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発を第2フェーズに進めるため、コンサルティング・パートナーの募集を開始した。現地メディアのコリア・タイムズが8月31日に報じた。
選定された企業は、CBDCの構造面において支援を行う。中央銀行デジタル通貨の開発を巡っては、中国が積極的にその開発を進めており、経済大国としては初のデジタル通貨となるだろうと言われる。
中国の「デジタル通貨/電子決済(DCEP)」、いわゆる「デジタル人民元」は現在、国内の地方銀行や企業が試験運用を行っている。
韓国銀行のCBDC開発の最初の検討フェーズは7月に終了し、報告書にまとめられた。その結果を踏まえ、次のフェーズに移行する。アーキテクチャ(構造)開発では、セキュリティやデータの取り扱い、想定されるアプリケーションなどを規定する。
コリア・タイムズによると、テスト運用は2021年後半に計画されているという。
「韓国銀行はコンサルティング・パートナーと連携し、デジタル通貨システムを運用するための全体的な作業プロセスとアーキテクチャーを詳細に作成する」とコリア・タイムズは韓国銀行関係者の発言を伝えた。
また、テスト運用を予定どおり行うための「具体的なアクション・プラン」も策定するようだ。韓国銀行は今年、CBDCの研究開発を加速させているが、早急にCBDCを発行・導入する計画はないという。むしろ、他国によるCBDC発行に備えた取り組みだ。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:韓国銀行(Chintung Lee/Shutterstock)
原文:South Korea’s Central Bank Starts Technical Phase for Digital Currency Ahead of 2021 Pilot