仮想通貨取引所、コインスクエア(Coinsquare)は、カナダドルと1対1で連動するステーブルコイン「eCAD」を発行する計画を発表した。
同社は、eCADを国際決済・送金、ピア・ツー・ピア(P2P)レンディング、販売業者向け決済ソリューション、貿易決済、外国為替換算に活用していく考え。
2019年4月4日木曜日(現地時間)の発表で、コインスクエアのCEO、コール・ダイアモンド(Cole Diamond)氏は以下のように述べている。
「eCADの発行により、従来の仮想通貨市場がはらむ不安定さのリスクを負わずに、透明性が高く、お手頃、かつ安全に、カナダ内外に価値を移転する方法が初めて生み出されます」
同社は、それぞれのeCADに対して、それを裏付ける1カナダドルをリザーブに保管していると確約する。同社は発表の中で透明性を主張したものの、同社のプルーフ・オブ・リザーブが開示されるのか、そして開示されるとしたらどのように開示されるのかを詳細には説明しなかった。
同社は最近、バミューダを拠点とする分散型取引所、ステラーX(StellarX)を買収し、ステラーXをコインスクエアの完全子会社とした。買収額は開示されていない。
コインスクエアは金融サービス企業、カナコード・ジェニュイティ(Canaccord Genuity)の出資を受け、2018年初期にエクイティファイナンスによって、3000万ドル(約33億5000万円)の資金調達に成功している。調達した資金は「世界規模の成長計画、そして我々のプラットフォームが主要顧客のニーズにより応えられるよう多角化戦略を推進するために使われる」と同社は当時コメントした。
コインスクエアのプラットフォームは 、ライセンスを所有していたり、厳しい顧客確認(KYC)、およびアンチマネーロンダリング(AML)ポリシーを施行していることもあり、最近レグテック(規制対応技術)スタートアップ、コインファーム(Coinfirm)によって「低リスク」と評価された。
ステーブルコインの発行は、去年から活発化している。直近では、仮想通貨スタートアップ、トラストトークン(TrustToken)がイギリスのポンドに1対1で連動したステーブルコインを発行した。また、仮想通貨取引所ビットトレックス(Bittrex)も、他のブロックチェーン企業5社と合同でユーロに連動したステーブルコインを発行する予定だと発表している。同コインはステーキングしていれば年利8%を得ることができる。
翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Canadian dollars image via Shutterstock
原文:Now There’s a Canadian Dollar-Pegged Stablecoin on the Way