三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)はデジタル通貨「coin(コイン)」の実用化を2019年内に開始する。スマートフォン決済のサービスが乱立し、独自通貨を発行する企業も増えるなか、同社は“プラットフォームのプラットフォーム”としての役割を目指していくという。
三菱UFJはブロックチェーンを活用し、企業が独自通貨を発行できる仕組みを作る。また、業種ごとに形成される既存のエコシステムをつなぐ、巨大なプラットフォームに育てあげていく方針だ。同社関係者が明らかにした。
三菱UFJはデジタル通貨coinの実用化と平行して、米IT企業のAkamai(Akamai Technologies)と共同でブロックチェーンを利用した決済ネットワークの開発・導入を進めている。IoT(モノのインターネット)の広まりが期待されるなか、膨大な数の少額決済処理が必要となる。両社はすでに取引処理性能毎秒100万件の取引を可能にするブロックチェーンを開発している。
メガバンクにおいては、みずほフィナンシャルグループは3月に、QRコードを使ったスマートフォン決済サービス「J-Coin Pay(Jコインペイ)」を始めている。三菱UFJのcoin同様に、みずほのJ-Coinは円に連動したデジタル通貨だ。
取材・文:佐藤茂
編集:浦上早苗
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