LINE証券・Pay・スコアで「LINK」リワード──LINEのトークン経済構想が前進

国内で8400万人を超えるユーザーを抱えるLINEが、独自の暗号資産「LINK」に転換できるリワードプログラムを開始した。

モバイル送金・決済の「LINE Pay」とスマホ投資の「LINE証券」、個人の信用力を数値化するスコアリングサービスの「LINEスコア」と連携させ、LINEがこれまで描いてきたトークン経済構想を進めていく。

LINEが18日に発表した資料によると、LINKリワードは、LINEが開発した暗号資産のLINKに交換できる権利で、ユーザーがLINKに転換するにはLINEグループの暗号資産取引サービス「BITMAX」でアカウントを開設する必要がある。

LINKはLINEのブロックチェーン事業の基本となる暗号資産で、同ブロックチェーン上で展開されるサービスの成長に貢献したユーザーに還元する目的で開発された。ユーザーは、BITMAXとデジタル資産を管理するBITMAXウォレットを利用してLINKを受け取る。LINEのブロックチェーンでサービスを展開する企業は、このLINKリワードの仕組みを導入することができる。

LINEのトークン経済構想

巨大なLINEのユーザー基盤とブロックチェーン技術を生かして、サービス事業者とユーザーをつなげるトークンエコノミー構想の一環だ。

LINE Pay、LINE証券、LINEスコアは18日から、それぞれが設定した条件をクリアしたユーザーに対してLINKリワードを付与する。例えば、LINE Payが展開する「Visa LINE Payクレジットカード」の家族カードを発行したユーザー1万人に、2000円相当のLINKリワードを付与する。

また、野村ホールディングスと共同で始めたLINE証券では、口座開設とアンケートに参加したユーザー全員に最大500円相当のLINKリワードを与える。

LINEは、トークン経済構想の重要な基盤となるブロックチェーン事業を急ピッチで進めてきた。2018年に社内ラボを作り、ブロックチェーンを使ったサービス(アプリ)や暗号化技術、P2P(ピアツーピア)ネットワークによる分散システムを開発。その後、独自のブロックチェーン「LINE Blockchain」の事業化を8月にスタートさせた。

編集:佐藤茂
写真:多田圭佑