中国国営テレビ局のCCTV(China Central Television:中国中央電視台)は25日、暗号資産の価格が今年高騰した事実を取り上げ、3分間のニュースにまとめて報じた。
CCTVは、さまざまな資産クラスの中で「暗号通貨は間違いなく、最高のパフォーマンスをあげている」と伝えた。前日の24日には同じく国営メディアの新華社通信が「暗号資産は今年『No.1』の資産」と題したオンライン記事を公開している。
この記事は24日に日刊紙「参考消息」に掲載されたものだが、内容は22日のブルームバーグの記事を要約、翻訳したものだった。
参考消息は国営メディアとして長い歴史を持ち、海外報道機関のニュースを慎重に選んで翻訳している。掲載する記事には、通常は中国のグレート・ファイアウォール(Great Firewall)──国民の海外サイトへのアクセスを規制するために政府が使っている検閲システム──によってブロックされているニュースも含まれる。
ニュースの真意は?
CCTVのニュースは、すぐに中国の暗号資産コミュニティから大きな注目を集めた。
多くの人が、このニュースを暗号資産に対する強気シグナルとしてウィーチャット(WeChat)で共有し始めた。今回の報道姿勢は、暗号資産が金融の安定性を損なう可能性があるとする中国の姿勢と矛盾している。
今回のような協調的な報道は珍しく、中国の国営メディアは通常、政治的な意図を持ってニュースを伝えていることから、なかにはその真意に疑問を抱く人もいる。
CCTVはブルームバーグのデータを引用して、暗号資産の利回りは今年、ゴールドを上回っていると伝えた。ゴールドの利回りは20%にとどまっている。
さらに、新型コロナウイルス感染拡大に対応した各国の景気刺激策と最近のDeFi(分散型金融)人気の高まりが、暗号資産の価格上昇につながっていると伝えた。
しかし同時に、個人投資家にとってリスクは依然として高いままであると注意を促した。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Shutterstock
原文:China State Media Make Rare Reports Calling Crypto 2020’s Best Performing Asset