「ビットコインを売らずに資金調達」大和証券Gのスタートアップが広げるデジタルアセットの可能性

2020年、暗号資産・仮想通貨への注目があらためて高まっている。ビットコイン(BTC)価格はコロナショックで下落したが、半減期や分散型金融(DeFi)人気も手伝って暗号資産相場は堅調な動きだ。改正金商法の施行でセキュリティトークンが法的に位置づけられ、資金調達の可能性が広がった。こうした中、ビットコインを売らない“ガチホ勢”も依然存在感を示している。ブロックチェーン取引を分析しているChainalysisの調査でも、2020年6月までに生成されたBTCのうち6割が長期投資のための保有。ビットコインは投機と言われがちだが、保有者・投資家の多くはその将来性を高く買っており、長く持ち続けたいと考えているのだろう。

資産としてのビットコインの将来が明るいとされる理由

決済にはまだ使いづらいビットコインについて、投資家が資産としての「ビットコインの将来は明るい」と信じる理由は、いくつかある。たとえばデジタルアセットのため現金化や移動、保存、さらには確認がしやすいこと、価値算定も難しくないことなどだ。

こうした特徴があるものの、投資家がビットコインに不満を感じているとするならば、その一因は「持っていても金利がつかないこと」だろう。この点は、ビットコインを買って保有し続けたい、売りたくないと思っている投資家にとってはジレンマでもある。

ビットコインを担保にして日本円を借りられる新サービス

ビットコイン投資家には経営者も少なくないし、法人でビットコインを保有しているケースも多々ある。そうした個人・法人には、「ビットコインは売りたくない」との思いがある一方、事業拡大や防衛のために資金を借り入れたいというニーズもあるはずだ。

そうした投資家が注目しているのが、暗号資産を担保にお金(法定通貨)が借りられるレンディングサービス。こうしたサービスは海外で先行事例があるが、実は日本にも最近、大手金融機関のグループ企業が始めた国産のサービスがある。大和証券グループ本社とクレディセゾンが設立したスタートアップFintertech(フィンターテック)の「デジタルアセット担保ローン」だ。

デジタルアセット担保ローンの仕組み

デジタルアセット担保ローンの4つの特徴

この「デジタルアセット担保ローン」では、融資を受けられるのは法人や個人事業主。担保の対象となるのはビットコイン(BTC)で、担保掛け目は50%。契約期間は1年だがロールオーバーできる。

注目すべきポイントはまず貸付利率が実質年率4%から8%と低いこと(同社が世界の暗号資産担保ローン13社の実質年率を調べたところ、4〜8%は世界最低の水準だった)や、融資額は最大で5億円までで使途は自由であること。さらに最短4営業日で借りられる。極度方式基本契約のため、あらかじめ契約した額までなら追加の審査なしで融資が受けられる。返済は元利一括返済方式でいつでも返済でき、担保のビットコインでの弁済も可能だという。

特徴1 使途自由で最大5億円まで
特徴2 最短4営業日で融資可能
特徴3 いつでも全額返済可能
特徴4 担保のビットコインで返済可能

ほかの資金調達手段と比べれば4%〜8%が低いとは限らないが、ビットコインを持っている法人で、急場の現金需要がある場合や大手銀行からの融資が難しい場合などは嬉しい商品だろう。レンディングサービスの契約期間中は、ビットコインの保有者はフィンターテックとなることなどいくつかの点に注意しながら利用を検討したい。

利用者の声──ビットコインを担保に資金調達した3人の経営者

実際の利用者からはこんな声が寄せられている。

「海外業者から乗り換えを検討している」──経営者(50代)
「2017年にBTCを購入しましたが、税制が変わるまで売却したくない。海外のローン事業者を利用してきましたが、フィンターテックは大手金融機関の子会社で安心できるし、金利が低いのも魅力。乗り換えを検討しています」

「コロナ不況に備え手元に現金を確保したい」──経営者(50代)
「2016年にビットコインを買って以来持っています。これからのコロナ不況を確信しており、手元にできる限り現金を確保しておきたいと思い、デジタルアセット担保ローンを利用しています。月末などに大きな支払いが必要となっても、追加借り入れが短期間でしてもらえるのが魅力です」

「手続きの早さが魅力」──暗号資産トレーダー(30代)
「取引所でレバレッジ取引をしていましたが、金利の安さに惹かれデジタルアセット担保ローンを利用するようになりました。実は他社と比較して金利が低いためアービトラージもしています。一度審査などを済ませてしまえば、手続きが早いことがいいですね」

BTC史上最高値からもうすぐ3年

現状で担保にできるのはビットコインのみ。しかし、商品名は「デジタルアセット担保ローン」というだけあって、将来はBTC以外の仮想通貨、さらにはもっと別のデジタル資産を担保にできるようになるだろう。

2020年もあと3ヵ月弱。ビットコインが過去最高値をつけた2017年12月からもうすぐ3年だ。短期的にはビットコインの価格が上がるか下がるか誰にも分からない。

しかし、ビットコインなどの仮想通貨・暗号資産の重要性がこれから高まっていくと考えるなら、フィンターテックの「デジタルアセット担保ローン」について知っておいて損はない。「ビットコインを持っているけど、売りたくない」「買って持ち続けたい」という経営者・法人は詳細を是非とも確認しておきたい商品だ。

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文・編集:CoinDesk Japan広告制作チーム
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