【2020年10月IPO銘柄】ひろぎんHD、インヴァスト──新規上場する金融・フィンテック企業ニュース

2020年10月に東証に上場する予定の金融、フィンテック企業を紹介するニュース。10月のIPO銘柄はひろぎんホールディングスとインヴァスト。ともに金融機関による持株会社の設立だ。

ひろぎんHD ──地銀グループの生き残りかけた戦略

株式会社ひろぎんホールディングス <7337> は、株式会社広島銀行による単独での株式移転によって持株会社(完全親会社)として2020年10月1日に設立される。

同行は持株会社設立の背景について、「地域金融機関の取り巻く経営環境が、今後の人口減少、異業種からの参入により一層厳しくなる」ことと説明。「人々のライフスタイルや価値観の変化によるニーズの多様化に応えるために、グループ経営形態への変化が必要」としていた。

同行の頭取でひろぎんHDの社長に就任する部谷俊雄氏は日経のインタビューで、「これまでリースや証券部門は、広島銀行の100%子会社という形であったため、銀行中心の業務運営になりがちだった」と指摘。「マーケットニーズに対応できる体制を築いて、地域総合サービスグループを目指したい」と意気込みを示している。

ひろぎんHD設立後、まずは株式会社広島銀行が完全子会社になる。その後、広島銀行の完全子会社である▽ひろぎん証券株式会社しまなみ債権回収株式会社▽ひろぎんキャピタルパートナーズ株式会社と、広島銀行の持分法適用関連会社であるひろぎんリース株式会社が、ひろぎんHDの直接出資会社として再編される。これにより、ひろぎんHD内でのヨコ割り体制が整備されることが期待されている。

広島銀行のリリースより。ステップ1では同行が持株会社の完全子会社に
広島銀行リリースより 再編のステップ2

ひろぎんHD <7337> 株式は2020年10月1日、東証一部に新規上場される。以下の基準値段・制限値幅が適用される。発行可能株式総数は1,000,000,000株で、上場時発行済株式総数は312,315,203株。なお基準値段は600円、制限値幅は100円だ。

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インヴァスト──海外展開、不動産ファイナンス事業に参入するグループ 事業会社の意思決定を迅速に

インヴァスト証券株式会社が10月1日、株式移転によってインヴァスト株式会社 <7338> となり、東京証券取引所JASDAQ市場へ新規上場される。インヴァスト証券の株式は2020年9月29日をもって上場廃止されている。

インヴァスト証券は、FXやETFの取引を自動で行えるトライオート、AIの活用、毎月クレジットカードポイントなどで溜まった投資資金を使って毎週自動的に投資できるサービスなどで知られる証券会社。

これまでに国際展開を見据えて2013年にオーストラリアに子会社Invest Financial Services Pty Ltd.を設立。世界50ヵ国以上の金融機関、ヘッジファンドにデリバティブ取引を提供している。また2018年にはインヴァストキャピタルマネジメント株式会社を子会社化、不動産ファイナンスの事業にも参入していた。

同社は持株会社体制への移行による期待として、新規事業の創出や事業の多角化を踏まえた事業提携、M&Aなどがしやすくなることや、意思決定が迅速になり、リスク管理も最適化されることなどを挙げている。

インヴァスト株式会社の基準値段は664円、制限値幅は100円。発表によれば、発行可能株式総数は25,000,000株で、上場時発行済株式総数は5,876,331株。

文:CoinDesk Japan編集部
画像:Mikko Lemola / Shutterstock.com