兵器などの調達を担う韓国防衛事業庁(DAPA)は、防衛セクターにおける事業オペレーションを改善することを目的としたブロックチェーンの試験プロジェクトを立ち上げた。
この計画には防衛事業データの「改ざん」を防止するためのブロックチェーンプラットフォームの構築が含まれている。DAPAが2019年4月10日水曜日(現地時間)に発表した。
韓国の国防科学研究所、および国防技術品質院も開発に携わった。これら3つの機関は、入札から最終評価までの調達プロセスをブロックチェーンに記録することで、防衛調達オペレーションの「信用性」を向上させる方針だ。
また、提案書提出の管理も自動化され、従来の紙の書類を使ったプロセスの「不便さ」は一掃されるという。
今回発表されたブロックチェーンシステムは調達関連以外でも役立つとされており、火器の運搬許可・届出の一元管理を可能とすることで、防衛関連企業の「負担を減らす」ことにつながるとDAPAは述べている。
DAPAのキム・テゴン(Kim Tae-gon)企画調整官は、今回の取り組みは防衛事業システム内にブロックチェーンを導入し、イノベーティブな公共サービスを提供するDAPAの計画の一環だと話す。
韓国では過去1年にわたり、いくつかの政府機関が民間セクターにおいてブロックチェーン技術の試験運用を行なっている。
昨年9月、未来創造科学部配下の機関である韓国インターネット振興院は、民間セクターにおけるブロックチェーン・パイロットプロジェクトの数を2倍にし、昨年6つだったプロジェクト数を今年は12に増やすと発表。また当時同機関は、2018年と2019年のブロックチェーン試験プロジェクトの財源として900万ドルを見積もっていたが、それに加えて2019年の予算を900万ドル以上に増やすと述べている。
韓国の未来創造科学部と海洋水産部も、コンテナ海運業の効率性を向上させる目的で試験的なブロックチェーンを立ち上げている。
翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:South Korean soldiers image via Shutterstock
原文:South Korea’s Military Acquisitions Agency Plans Blockchain Pilot