ビットコインは9月、ドルが主要通貨に対して6カ月ぶりに上昇したことを受け、価格の売り圧力が強まり、3月に次いで大きく下落した。
CoinDeskのBitcoin Price Indexによると、ビットコインの9月の下落率は約7%で、3月に次ぐ大きさとなった。新型コロナウイルスの感染拡大で主要株式指標が急落した3月、ビットコインの下落率は約25%だった。
ドルインデックス(DXY)は、主要通貨に対するドルの価値を示した指標で、9月は1.8%近く上昇し、3月以来の月次上昇となった。
「ビットコインは短期的にはドル高に敏感に反応しているようだ」と、Digital Assets Dataのマイク・アルフレッドCEOは話す。
ビットコインは、コロナ危機が市場を襲った3月以来、主にDXYと逆方向に動いている。
ビットコインは8月中旬までの5カ月間で、3867ドルから1万2400ドルまで上昇。逆に、ドルインデックス(DXY)は3月の103.00をピークに、8月は16カ月ぶりの低水準となる91.75まで下落。9月は再び上昇して、95.00を超えた。
S&P500株価指数とゴールドはこの半年あまり、ビットコインと連動するかのように推移してきた。これに対して、アルフレッド氏は、ドルはビットコイン同様、他の資産クラスの相場にも影響しているだろうと述べる。
FRB(連邦準備制度理事会)の大規模なドルの増刷は、第2四半期と第3四半期の大半でドルを下落させ、一方で他の主要資産は上昇した。
つまり、9月のドルインデックスの反発は、ビットコイン、ゴールド、株式市場には下げ圧力となった。ドルは8月に、過去40年で最も売られすぎの状態となっていた。
今後の見通し
長期的な市場心理は、取引所のビットコイン残高が継続的に減少していることからもわかるように、強気の状態が続いており、投資家が保有戦略にシフトしていることを示している。
短期的には、ビットコインはドルと株式市場から影響を受け続ける可能性がある。
「ドルが最近の低迷から抜け出していることは無視できず、ドルの継続的な上昇はビットコインに重くのしかかってくると予想している」とStack Fundのマシュー・ディッブCEOは述べた。
また、ハイテク株やナスダックから資金が流出する可能性があるため、さらに弱気の圧力がかかる可能性があると、ディップ氏は続けた。
人気のチャートアナリストでトレーダーのジョシュ・レイジャー(Josh Rager)氏のツイートによると、ビットコインが9月後半に1万ドルから1万800ドルまで回復したことで、強気の価格構造が維持されているという。
レイジャー氏は、大統領選挙を控えた10月の市場は上昇すると予想している。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:ビットコインの9月の価格推移(CoinDesk BPI)
原文:Bitcoin Posts Biggest Monthly Price Loss Since March