100年の歴史を持つ、世界最大のビジネス機構、国際商業会議所(ICC)は、ブロックチェーン技術を導入し、加盟している4500万社に提供する予定。ICCには、アマゾン、コカ・コーラ、フェデックス、マクドナルド、ペイパルなどが加盟している。
2019年4月11日(現地時間)、ICCはトレーサビリティ(商品追跡)と透明性を向上させ、加盟企業のサプライチェーンプロセスを改善する目的で、シンガポールに拠点を置くブロックチェーン・スタートアップ、パーリン(Perlin)と提携することを発表した。130カ国におよぶICC加盟企業が、パーリンのブロックチェーンに接続し、新技術の恩恵を得られるよう支援する計画だ。
ICCの正式テクノロジーパートナーとなったパーリンは、「実用的、効率的、かつ規模拡大が可能なバリューチェーンのトレーサビリティ・透明性を管理するブロックチェーン・システム」に専念する予定。加盟企業はプロジェクト初期段階のうちはパーリンのブロックチェーン・プラットフォームに自由にアクセスすることができる。
ICCのジョン・デントン(John Denton)事務局長はこのように語っている。
「ブロックチェーンおよび分散型台帳開発の分野においてリードしているパーリンと提携することで、我々はありとあらゆる産業セクターの事業に実用的かつ真にディスラプティブな変化を促進することができます」
パーリンはすでに大企業と試験的なブロックチェーンプロジェクトに取り組んでいる。持続可能な素材を生産するアジア・パシフィック・レーヨン(Asia Pacific Rayon=APR)とのプロジェクトもその1つ。「Follow Our Fiber(我々の繊維を追跡する)」と名付けられたこのパイロットプロジェクトの目的は、植林から輸送までの、生産過程における主要な段階を監視できるようにし、サプライチェーン上に存在するAPRの顧客に透明性を提供すること。
同パイロットプロジェクトは「安全なブロックチェーンのデータベース上でパーマネント・データを」提供することで、APRが規制や産業ごとの基準・認証に準拠していることを保証するとパーリンは述べている。
ICCとパーリンは模倣品および海賊版が「経済・社会に与える損害」に対する認識を向上させるためのイニシアチブ「模倣品・海賊版防止ビジネスアクション(BASCAP)」など、その他のプロジェクトにも取り組んでいる。
翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:ICC image via Shutterstock
原文:Trade Organization ICC Eyes Blockchain Adoption for Its 45 Million Members