「Satoshi’s Treasure(サトシの宝)」と呼ばれる代替現実ゲームが新しく始まった。プレイヤーたちは、協力や工夫をしながら世界中に散りばめられた100万ドル(約1億1100万円)相当のビットコインへの鍵を探す。
「我々がやっていることは、映画『レディ・プレイヤー1(原題:Ready Player One)』の仮想通貨版だと、多くの人にジョークを言われました」とプリミティブ・ベンチャーズ(Primitive Ventures)の共同創業者で、同ゲームの共同クリエーターのエリック・メルツァー(Eric Meltzer)氏はCoinDeskに語った。「どのチームが最も多く鍵を持っているのかを表示するスコアボードも設ける予定です」
賞金となるビットコインウォレットへの鍵は1000個のフラグメントに分割されており、賞金を移動するためには、最低でも400個のフラグメントが必要となる。手がかりを収集したり、解いたりする方法に制限はない。手に入れた手がかりを他のプレイヤーに売ることもできる。メルツァー氏自身も賞金の大部分を拠出しており、他にも匿名のエンジェル投資家たちが賞金提供に貢献している。
ゲームそのものにルールはない。
「ルールなんか忘れて、ただ単純に遊べばいい」とメルツァー氏は語った。また、今のところ、6000人以上が鍵に関する新情報を得るためのメーリングリストにサインアップしているとも。
同氏は、ジーキャッシュ(ZEC)の共同開発者、イアン・マイアーズ(Ian Miers)氏およびその他18人に協力を求めた。そのため、全ての手がかりや鍵の位置、配信スケジュールを把握してい人間は一人としていない。ロジックパズルは、インターネットのいたる所にちりばめられており、時には印刷されて現実世界に貼り付けられていることもある。
「宝探しゲームのような手がかりもあれば、純粋にロジックパズルや数学の問題のような手がかりもあります」とメルツァー氏は語る。問題の答えは、鍵のフラグメントとなる数字を生み出すとも付け加えている。
2019年4月14日(現地時間)に発表された1つ目の手がかりは、人工衛星でビットコイン関連のデータを送信するブロックストリーム(Blockstream)の方向を指し示しているように思われる。
ゲームの参加には必要ないが、 いずれプレイヤーが手がかりや新情報を管理するのに役立つアプリをリリースする計画もある。アプリは外部ブランドからのスポンサーや提携を発信するツールにもなるという。
「携わる人に給与を支払うためだけに設立された会社もあります」とメルツァー氏は述べる。「メタゲームの一部として、人々に楽しまれそうなのは、このゲームの黒幕を突き止めることです」
メルツァー氏はあくまでも名目上のトップ。ゲームの行く末は、誰一人として南国の島に拠点を置く企業の一員(どの島かは秘密)でさえ、予想できない。
「優勝チームが決まるのは、彼らがビットコインを入手した時です。我々が関与することは一切ない。私たちが賞金を手渡すわけではありません」と同氏は言う。
「このゲームには不明点があまりにも多いため、我々はただ単純に何が起きるのか知りたい」
今回のゲームは銀行口座を持っていなくても参加できるため、十代からも関心を集めている。「ゲームを通して、ビットコインを得られるなんて、結構クールなアイデアだ」と15歳のプレイヤー、マルテ・ローターバッハ(Malte Lauterbach)氏は言う。世界中の人と協力しながら、ビットコインについて学べるというコンセプトを愛しているとも。
翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Buried treasure image via Shutterstock
原文:‘Satoshi’s Treasure’ Is a Global Puzzle With a $1 Million Bitcoin Prize