Fintech協会、オンラインファクタリングの新分科会を設置
Fintech協会は10月1日、新しい分科会「オンライン型ファクタリング分科会」の設立を発表した。ファクタリングとは、売掛債権を買い取り、債権回収する金融サービス。コロナ禍で中小企業やフリーランスの資金繰りが問題視される中、融資とは異なる資金調達の手段が注目されている。
会員企業間の情報交換や業界としての意見集約の場として設けられた分科会。9月30日には、1回目の会合を開催。会員企業や関係者ら計110人が参加し、パネルセッション「ニューノーマル社会におけるオンライン型ファクタリング」や、法的解釈について弁護士からの解説などが行われた。
Fintech協会の分科会には他に、コンプライアンス、API・セキュリティ、送金、融資分、保険、キャッシュレスなどがある。
デジタルウォレットの利用者が24年までに40億人へ急増──ワールド・ペイメント・レポート2020
世界全体のキャッシュレス取引(非現金取引)が2018〜2019年の期間中に14%近くも伸張、2019〜2023年の年平均成長率 (CAGR)が12%に達すること、デジタルウォレットの利用者が2019年の23億人から2024年までに40億人 (世界人口の50%) へ急増するという予測が発表された。
フランスに本拠を構えるキャップジェミニが10月7日に発表した「ワールド・ペイメント・レポート2020」によるもので、同社はレポートで、決済業者は新型コロナウイルス感染症拡大に伴うトランザクション件数の拡大に対し、競争の激化と様々なリスクに直面すると指摘している。
キャッシュレス取引についてはまた、18−19年の期間中の鳥費件数が7,085億回に達し、過去10年間で最高の成長率を記録したという。
こうした市場の拡大が予想される一方、決済業者は高まるリスクに対応する必要がある。レポートでは、ペイメント業界の幹部社員達がリスクに感じていることについても紹介。サイバーセキュリティ(42%)、 規制関係 (37%)、 オペレーション系 (35%)、 ビジネス (30%) などが挙げられた。回答した幹部社員の87%は、「自社がサイバー攻撃の脅威増大に直面している」と認めている。
コロナで先行きが見通せない中、サイバー攻撃やマネーロンダリング、テロ資金供給などのリスクに直面している。決済業者は、テクノロジーを取り入れ、ペイメント・トランスフォーメーションを避けては通れない状況だ。
日銀「未来の決済フォーラム」クロスボーダー送金分科会が議事概要を公表
日本銀行決済機構局は10月7日、クロスボーダー送金の改善に向けた国際的な議論の状況などについて議論する第2回「決済の未来フォーラム クロスボーダー送金分科会」を開催、議事概要を公表した。分科会が開かれたのは9月8日。今回は以下の3つのセッショッンに分かれ、議論を進めた。
(1) クロスボーダー送金の改善に向けた国際的な議論
(2) クロスボーダー送金におけるコンプライアンス(AML/CFT 対策、KYC)
(3) クロスボーダー送金の改善に関する日本固有の課題
クロスボーダー送金のスピードや透明性といった課題は、国際送金ネットワークであるSWIFTが2017年から稼働させている新たな国際送金システム「SWIFT gpi」の採用など、改善が進んでいる。一方、送金コストの高さが指摘されており、 AML/CFT 対策、KYCといったコンプライアンス関連のコストが上昇していることが懸念されている。
そこで、コストの削減に対し、データの標準化に加え、グローバルなコンプライアンス関連の調和も重要であり、G20などでの議論に期待がかかっている。
日本固有の課題では、日本におけるコスト構造の見極めが重要との指摘があった。手数料体系については、国際標準化を目指すよりも、送金手数料を構成する要素を踏まえ、自動化など部分的なアプローチが有効的という指摘も。
また、中小規模の金融機関におけるクロスボーダー送金業務については、個別の金融機関で進められる合理化に限界があり、手作業での事務に頼っている面や人材確保が難しい実態が紹介された。
英金融アプリ「Revolut」が日本参入、利用者同士なら海外送金も手数料なし
2015年にイギリスで始まった金融アプリ「Revolut」(レボリュート)が10月8日、日本でのサービスを本格的に提供開始、オンラインで発表会を開催した。
RevolutはVisaデビットカード(プラスチックカード・バーチャルカード)として支払いに使えるほか、為替両替・送金、予算管理、貯金などができる。入金にはクレジットカード(VisaとMastercard)を使う。両替できるのは23通貨、送金は31通貨に対応。無料のスタンダードプランと月額980円のプレミアムプランがある。プレミアムでは、ATM引出額の上限拡大やワンタイムバーチャルカードなどが提供される。アプリはiOS、Androidともに対応。
日本ではまず、カード(物理カードとバーチャルカード)、個人間・海外送金、複数通貨アカウントと外貨両替などのサービスを提供するという。リアルタイム支払い通知機能、貯金箱機能などもある。たとえば利用者同士なら国境をまたいだ送金が手数料無料で行える。
いずれ親子で使用できるよう子供向けのアプリ「Revolutジュニア」や、アプリ上から金と銀の購入・取引が10円から可能で、ユーザー間で金・銀を送りあえるサービスも提供する。
セキュリティ面については、アプリからカードを利用停止にしたり解除したりできるほか、非接触決済やオンライン支払いなど特定の機能を無効にできたりすることが紹介された。
会見で同社の日本事業営業統括を務める金海寛氏は「日本はアジアで最も重要なマーケットと位置づけている」としたほか、日本の海外送金手数料が米国の約3倍と高いと指摘。「金融版のスーパーアプリのナンバーワンを目指す」などと述べた。
eスポーツを利用すると暗号資産が付与される新サービス「eSports Stars」(いぽすた)
プロのeスポーツ選手やファン同士でゲームを楽しみながら報酬を得られるサービス「eSportsStars」(いぽすた)が10月9日、リリースされた。発表したのはタイムチケットのスイス子会社Time Ticket GmbH。リリース時のゲームは、PUBG MOBILE、フォートナイト、荒野行動、Call of Duty: Mobileで、今後増えるという。
利用者はeSportStars主催のトーナメントに参加できる。トーナメントにはプロ選手も参加しており、プロとファンとのゲーム対戦できるという。入賞者には賞金が授与されるほか、有名ストリーマーやプロ選手によるトーナメントの実況や解説も動画で配信される。
このサービスには、利用頻度に応じて、暗号資産「タイムコイン」が報酬として付与される「eスポーツマイニング」を実装される予定。大会参加、大会の主催や集客、大会の動画実況、グッズやサービス取引などに応じてタイムコインが付与され、タイムコインの保有数に応じてサービス内の特典サービスが受けられる。
報酬の受取日を遅らせると額が増える新サービス開始──インベストデザイン
報酬の受取日を通常の受取日よりも遅らせることで、報酬額の1%が上乗せされるというサービスが10月14日始まった。提供しているのはインベストデザインで、同社が提供している決済プラットフォーム「Lag Less(ラグレス)」の新機能「遅払いサービス」によるものだ。
利用するには、毎月送られるラグレスの案内メールから「遅払い」を選び、必要事項を記入する。ラグレスは、発注企業の与信により受注企業が利用できるFintechサービス。導入・運用費用なしで導入でき、新規受注企業の獲得や既存の受注企業の定着率向上に貢献。
文:CoinDesk Japan編集部
編集:濱田 優
画像:Shutterstock.com