暗号資産(仮想通貨)業界におけるM&A(合併・買収)は今年、新型コロナウイルスが世界経済を減速させるなか、増加傾向を維持した。プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が10月15日にまとめたレポートによると、2020年上半期の暗号資産業界におけるM&Aの総額はすでに2019年を上回った。
PwCは、M&Aデータのマージャーマーケット(MergerMarket)、キャピタルIQ(Capital IQ)、クランチベース(Crunchbase)、ピッチブック(Pitchbook)から得たデータを集計。M&Aの件数と金額はそれぞれ、2019年の125件と4億8100万ドル(約507億円)に対し、2020年上半期は60件、約5億9700万ドル(約629億円)にのぼった。
今年上半期における傾向としては、暗号資産取引所と取引インフラ企業などが最も積極的な買収をしかけている。なかでも、暗号資産取引所を運営するバイナンス(Binance)によるCoinMarketCapの4億ドル(約421億円)での買収は、業界における過去最大級の規模となっている。
上半期のペースを維持すれば、2020年は2018年の19億ドル(約2001億円)に迫る。また、M&Aの平均金額は2019年の1920万ドル(約20億円)に対し、2020年上半期は4590万ドル(約48億円)となった。
資金調達ラウンド
一方、資金調達の平均額は、2019年の480万ドル(約5億1000万円)から2020年上半期には640万ドル(6億7000万円)に増加。資金調達の多くがシードラウンドで、2020年上半期は全体の5割を占めた。
2020年上半期の注目は、暗号資産デリバティブ取引所の米バックト(Bakkt)が3月、シリーズBラウンドで3億ドル(約320億円)を調達した。
レポートは以下。
PwC H1 2020 Global Crypto M… by CoinDesk
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Shutterstock
原文:PwC Report Points to Banner Year for Crypto M&A and Fundraising Deals