10月12日──セリーナ・ウィリアムズ、コインベースの株式売却か:米報道
テニス界のスーパースターで投資家のセリーナ・ウィリアムズ氏は暗号資産(仮想通貨)取引所、コインベース(Coinbase)の株式を売却した可能性がある。
10月12日遅くにBusiness Insiderが報じたところによると、彼女のベンチャー企業のウェブサイトに掲載されている株式保有企業からコインベースの名前が消えている。
10月12日──OECD、暗号資産の課税指針を提案、G20加盟国に来年提出
OECD(経済協力開発機構)は10月12日、暗号資産(仮想通貨)の課税についての指針を2021年に提案する計画があることを発表した。OECDがまとめるのは「国際的な取引所」も考慮しながら、暗号資産の各国での取り扱いを明確にするための指針を税務当局に提供するもので、暗号資産の「ダイナミックで移動性の高い性質」を反映したものになるという。
指針の骨子は技術的な問題にも対応し、ウォレットプロバイダーをめぐる問題や販売以外の収入(おそらく、ステーキング報酬など)に対応したものになる可能性がある。
10月13日──平井デジタル相、全銀協にマイナンバーと銀行口座のひも付けに向けた協力を要請
平井デジタル改革担当大臣は10月13日、全国銀行協会の三毛兼承会長(三菱UFJ銀行頭取)と会談し、マイナンバーと銀行口座のひも付けの実現に向けて協力を求めた。NHKの報道によると、平井大臣はマイナンバーと銀行口座のひも付けについて「実現すれば、この前のような特別定額給付金も、支給するスピードが相当上がり、給付を申請する手間も減るうえ、コストもおさえられる。ぜひ皆さんと協力したい」と述べたという。
また、電子決済アプリ・サービスを通した不正出金被害が相次いでいることから、「利用者の本人確認が甘いことで資金決済の問題が起きたが、マイナンバーカードによる本人確認ができれば、相当部分安心だと思う」とも述べたという。
10月13日──IMF、世銀、G20が中銀デジタル通貨のルール策定へ
G20(20カ国・地域)財務大臣・中央銀行総裁会議は10月13日、IMF(国際通貨基金)と世界銀行、国際決済銀行(BIS)と協力して、銀行システムにおける中央銀行デジタル通貨(CBDC)のルールを策定すると発表した。
まとめた報告書によるとG20、IMF、世界銀行、BISは2022年末までに、米ドルなどに連動するステーブルコインの規制枠組みと、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の設計やテクノロジー、実験の調査・選定を完了。IMFと世界銀行は2025年末までに各国間のCBDC取引を促進するための技術能力を持つとしている。
10月13日──190万人が抽選に殺到、5万人に3100円のデジタル人民元を配布
191万人の市民が総額1億6000万円相当の抽選に参加したと、シンガポールのウェブメディアAsiaOneが10月13日、報じた。中国・深セン市で行われたデジタル人民元のテスト運用の話だ。
報道によると、抽選に参加した191万人の深セン市民のうち、5万人が12日、200人民元(約3100円)のデジタル人民元を受け取った。市民が受け取ったデジタル人民元は、テスト運用と広報の一環として、市内の約3400店で利用可能だ。
デジタル人民元の正式な発行の明確なスケジュールは発表されていないが、深センでのこの取り組みは、中国人民銀行が計画を加速させていると言える。
デジタル人民元の普及のハードルの一つは、デジタルウォレットを使う必要があることで、子供や高齢者が使えるかどうかが懸念されている。
10月14日──WBTC、1日の発行量が過去最大を記録 1度の発行量も記録更新
トークンセールスプラットフォームのコインリスト(CoinList)は10月14日、5710万ドル(約60億円)に相当する4997WBTC(Wrapped Bitcoin)を発行し、1日に単一のマーチャント(販売者)が発行したWBTCとしては過去最大となった。
CoinDeskによる取引データの分析によると、これまでの記録は9月18日にアルメダ・リサーチ(Alameda Research)が3回に分けて発行した4093WBTC(4470万ドル、約47億円)。
コインリストのマシュー・ジュベ-デュバル(Matthieu Jobbé-Duval)氏は、この夏のDeFi(分散型金融)ブームで需要が「着実に増加」した。その後、WBTCの需要は依然として強いが「よりバランスの取れた流れ」になっているとCoinDeskに語った。
また14日、CoinListは一度のプロセスで3697WBTCを発行、こちらもこれまでの記録を更新した。
10月15日──野村、SBI出資のセキュリタイズ、米DTMを買収 デジタル証券基盤を拡大
ブロックチェーン上でトークン化した株式や債券を発行するプラットフォームを運営する米セキュリタイズが10月15日、証券の代替取引システム(ATS)を展開するDTM社を買収すると発表した。欧米やシンガポール、日本などで注目を集めるデジタル証券の発行・取引プラットフォーム事業を拡大する。
15日(日本時間)の発表によると、サンフランシスコに本社を置くセキュリタイズ(Securitize Inc)が買収するのはDistributed Technology Markets(DTM)で、買収額は明らかにしていない。
DTMは米証券取引委員会に登録するブローカーディーラーで、デジタル証券を含む私募証券の発行(プライマリー)と投資家間の取引(セカンダリー)ができる取引所の認可を取得している。
10月15日──マウントゴックス、再生計画案の提出期限を延期
経営破たんし民事再生手続きを進めている暗号資産取引所マウントゴックス(株式会社MTGOX)は10月15日、再生計画案の提出期限を延期したと発表した。
2014年2月に85万BTCを消失したとして閉鎖。経営破たんし、当初は破産手続きを行っていたが、東京地裁が18年に民事再生手続きの開始を決定していた。
10月15日──日銀局長「デジタル通貨は21年中に第2段階へ」と発言【日経】
日本銀行の神山一成決済機構局長は10月15日、日本経済新聞のインタビューで、デジタル通貨の実証実験について「2021年度中に第2段階に移行したい」との考えを明らかにした。日銀は3段階の実験を想定し、21年春にも第1段階を始める。
日銀のデジタル通貨(デジタル円)に関する取り組みでは、黒田東彦総裁が10月12日、将来的な発行に向けた要件や基本原則を検討するために、2021年の春に実証実験を開始すると表明したばかり。ロイターによれば、黒田総裁は「中銀のデジタル通貨が民間の決済サービスの代替や廃止につながらないことが非常に重要だ」と述べたという。
10月15日──みずほ、JCB、富士通がデジタルアイデンティティーで共同実証実験へ
みずほ銀行、ジェーシービー(JCB)、富士通の3社は10月15日、デジタルで管理された個人の属性情報(デジタルアイデンティティー)をオンライン取引などで活用できるよう、異業種間でID情報を流通・連携する共同実証実験を10月から開始すると発表した。
実証実験では、JCBとみずほ銀行が保有する参加者の名前、住所、勤務先などのID情報を、富士通が構築したクラウド基盤上で、安全に相互交換・連携する仕組みを検証する。JCB・みずほ銀行と取引がある富士通国内グループ社員約100人が参加し、約4ヵ月間実施する予定。クラウド基盤には、富士通研究所のブロックチェーンを活用した自己主権型/分散型アイデンティティー流通技術「IDYX」を活用するという。
10月16日──ZOZO創業者の前澤氏が電子決済の新事業立ち上げへ
衣料品通販大手ZOZOを創業した前澤友作氏が電子決済サービスに関する新事業を近く立ち上げると10月16日、報じられた。前澤氏はZOZOの代表を退いた後、新しくスタートトゥデイという会社を設立していた。共同通信などの報道によれば、暗号資産交換業大手の経営幹部も参加し、サービスの準備を進めるという。
文・編集:濱田 優
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