剰余金で約450億円相当のビットコインを購入したマイクロストラテジー(MicroStrategy)のマイケル・セイラーCEOは、ビットコイン(bitcoin)の市場の膨大なデータを「ゴミ」と呼び、市場の流動性が不正確に伝えられていると批判した。
セイラーCEOは10月20日、ウェブメディアのHedgeyeのインタビューで、ビットコインの取引高が247億6000万ドル(約2兆6000億円)と伝えられている事実にたいして、「誇張されている」と述べ、強く批判。この数字はコインゲッコー(CoinGecko)による24時間あたりのビットコイン取引高、203億ドル(約2兆1000億円)と近似している。
データは「世界中の10億台の端末に届けられているが、それはただのゴミだ」と同氏は述べた。「人に知られずに1日に3500万ドル(約37億円)以上を買うことはできない。つまり、240億ドルの取引などあり得ない」
質の低いデータは「ビットコインの足を引っ張っている。恐ろしいことだ」と同氏は続ける。
取引高の水増し問題
なにをもって「本当の」取引高とするかは「まださまざまな見解がある」とCoinDesk Researchのシニアアナリスト、ガレン・ムーア(Galen Moore)氏は述べる。ムーア氏は1月、多くの暗号資産市場関係者にとって「データは収入源ではなくマーケティングツール」であり、一部の取引所は「流動性を大きく見せるために取引高を誇張している」と説明する。
サンフランシスコに拠点を置くビットワイズ・アセット・マネジメント(Bitwise Asset Management)は2019年3月、SEC(証券取引委員会)に提出したレポートで、人気の暗号資産データサイトのデータの約95%は偽物だと主張した。
「他の資産に比べて、これほど質の悪いデータがあるだろうか。にもかかわらず、多くの人を集めている」とセイラー氏。
セイラー氏は、高品質な市場データは「市場が必要としている」と述べた。
翻訳:新井朝子
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:Top 10 bitcoin pairs by 24-hour volume
原文:‘Garbage’ Market Data Is Holding Bitcoin Back: MicroStrategy CEO