米大手の暗号資産(仮想通貨)取引所「クラーケン(Kraken)」は10月22日、日本における取引サービスを開始した。2018年に国内事業を休止していたクラーケンは日本市場への再参入を果たした。
クラーケンで口座を開いたユーザーは22日から、住信SBIネット銀行を通じて日本円の入出金サービスを利用できる。同取引所を運営するPayward Asiaが発表した。取り扱うのは、ビットコイン(XBT)、 イーサリアム(ETH)、 リップル(XRP)、 ビットコイン・キャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)の主要5資産。
Payward Asiaは金融庁に仮想通貨交換業者の登録を申請し、9月に認可された。クラーケンの参入で国内の暗号資産市場は今後、取引所間の競争がさらに激化しそうだ。また、SBIホールディングスがZホールディングス傘下の取引所「TaoTao」を今月に買収するなど、業界再編の動きも見られている。
Kraken日本法人代表の千野剛司氏は、「暗号資産は、 激変する環境下においてある種の持久力があり、継続的に進化する資産であることを証明してきた」とした上で、「既に取引に参加している投資家は、単に暗号資産の価格変動だけを見ているわけではなく、安全なステーキングサービスやDeFi(分散型金融)関連の技術革新を含めた新たな投資機会に着目している。一般的に日本の市場参加者は、金利や配当の収入を好む傾向があるので、新たな顧客層により多くの投資機会を提供したい」と発表文で述べた。
編集:佐藤茂
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