米決済大手ペイパルが計画している暗号資産(仮想通貨)決済と取引サービスは、同社の収益を押し上げるというよりも、暗号資産の普及に貢献するインパクトが強くなると、投資銀行のモルガン・スタンレーは10月21日のレポートで述べた。
ペイパルの発表は「トップ500に属するインターネット小売業の1%にとどまっている暗号資産決済を広げることになるだろう」と同レポートは述べている。
今回の動きがペイパルの収益にプラスになるかどうかは「わからない」。レポートによると、ビットコイン、ビットコインキャッシュ、ライトコイン、イーサリアムの売り上げは「同社の最終利益にとって重要ではない可能性が高い」という。
「ペイパルが暗号資産関連事業をスクエア(Square)の現在のレベルにまで拡大できたとしても、ペイパルの213億ドル(2020年)の収益に0.3%程度のわずかなプラス効果を加えるだけ」
その理由は、暗号資産への対応を促進することは、必ずしも大きな取引高につながらないからだという。暗号資産への参入の他のメリットは、スクエアに対する競争力の維持と、ペイパルに「新たなユーザー層」を惹きつけることにあるとレポートは述べた。
翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:Shutterstock
原文:PayPal’s Move Is Good for Crypto Adoption but Not So Much for Profits: Morgan Stanley