ブロックチェーンを一般に普及させることを目的とした5000万ドル(約55億9000万円)のベンチャー・キャピタル(VC)、プルーフ・オブ・キャピタル(Proof of Capital)が誕生した。
プルーフ・オブ・キャピタルの創業パートナーは、ホライズンズ・ベンチャーズ(Horizons Ventures)出身のフィル・チェン(Phil Chen)氏、グレイロック・パートナーズ(Greylock Partners)出身のクリス・マッキャン(Chris McCann)氏、そして500スタートアップス(500 Startups)の元アドバイザー、エディス・ヤン(Edith Yeung)氏の3人。
2019年4月17日(現地時間)に発表された内容によると、同社が投資対象とするのは、ブロックチェーンを基盤とするエコシステムにおける送金、カストディ、ウォレット、セキュリティ、IDなどの分野に取り組むアーリーステージのスタートアップ。
今や世間は、自身のデータが大手テクノロジー企業に「悪用され、販売されている」ことに気づいていると、チェン氏はCoinDeskの取材で述べた。また、同氏は以下のように付け加えた。
「分散型ウェブ『ウェブ3.0』は、ユーザーを保護し、ユーザーが自身のデータをコントロールできるようにする。そんなウェブ3.0向けのハードウェアやソフトウェアを開発している世界中の創業者たちに資金を提供することで、ブロックチェーン技術を広めたいと考えている」
同社の初の投資先はアルゼンチンに拠点を置くブロックチェーンスタートアップ、ユーバンクス(Ubanx)。ユーバンクスによると、同社が提供するプラットフォームは、一般顧客をブロックチェーン・エコシステムの製品やサービスにつなげる。
プルーフ・オブ・キャピタルは、HTCのブロックチェーンスマートフォン「エクソダス(EXODUS)」の開発にも携わっている。現在、HTCの分散型技術最高責任者(decentralized chief officer)でもあるチェン氏は、「HTCと密接に協力して、この新しいインターネットに必要な基準や向き合い方を定義し、モバイルとハードウェアのノウハウを投資先企業に提供するつもりだ」と述べている。
プルーフ・オブ・キャピタルへの出資者には、YouTubeの共同創業者のスティーブ・チェン(Steve Chen)氏、リップルの元チーフ・リスク・オフィサー(CRO)、グレッグ・キッド(Greg Kidd)氏、台湾塑膠工業(台湾プラスチック)グループなどが名を連ねている。アドバイザーとして、キッド氏、ジーキャッシュ(Zcash)のハワード・ウー(Howard Wu)氏、ディフィニティ(Dfinity)のドミニク・ウィリアムズ(Dominic Williams)氏などが参加している。
翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:U.S. dollars image via Shutterstock
原文:New $50 Million Venture Fund Eyes Global Blockchain Adoption