分散型取引所(DEX)の取引高、10月は25%減少

分散型取引所(DEX)の取引高は10月、DeFi(分散型金融)への投機的な関心がひと段落するなか、9月の258億ドル(約2兆7000億円)から194億ドル(約2兆円)と25%減少。第3四半期(7〜9月)に3カ月連続で倍増した後、4月以降、初めての減少となった。

スシスワップ(SushiSwap)やセラム(Serum)のような期待を集めた新しい取引所でさえ、10月は60%を超える減少を記録した。

DeFiの低迷は、暗号資産デリバティブ取引所FTXのDeFiインデックス先物指数にも示されている。第4四半期、現時点までに29%下落し、現在1556ドル(約16万円)で取引されている。

10月26日の異例な取引がなければ、10月の減少幅はさらに大きくなっていただろう。この日、ユニスワップ(Uniswap)とカーブ(Curve)は取引高が20億ドル(約2100億円)を超えたと発表。これは双方とも1日あたりの取引高では過去最高となった。

DEXの取引高推移(2019年1月〜)
出典:Dune Analytics, CoinGecko, CoinDesk Research

減少は想定済み?

取引高の大幅な減少は、過去数カ月の「ピークに達したDeFiの高揚感と、イールドファーミング・ブーム」の後に予想されたものだと、データサイト「メッサーリ(Messari)」のジャック・パーディ(Jack Purdy)氏は述べる。同氏は10月の結果にもかかわらず、DeFiの長期的な可能性について楽観的な見方を崩していない。

注目すべきは、他のDEXが取引高を減らすなか、0xの取引高が50%増加していることだ。パーディ氏は「0xは他のDEXのような急激な取引高の増加が見られなかった。正常なレベルに修正する必要はなかったのだろう」

各DEXの前月からの成長率
出典:Dune Analytics, CoinGecko, CoinDesk Research

0xの取引高の増加は「0xのトレーダーが分散型取引に対して、より長期的にコミットしている」ことを示しているとパーディ氏は考えている。

翻訳:新井朝子
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:Monthly decentralized exchange volume since Jan. 2019
原文:Decentralized Exchange Volume Dropped 25% in October