DeFi(分散型金融)への熱狂が落ち着いたことで、イーサリアムの取引手数料は10月、過去最高を記録した9月の1億6639万ドル(約174億円)から65%下落し、5749万ドル(約60億円)となった。グラスノード(Glassnode)のデータでわかった。
「分散型取引所(DEX)における取引高が減少し、ネットワークの帯域幅に対する需要が低下したことで手数料は下落した」と暗号資産(仮想通貨)レンディングサービス、セルシウス(Celsius)の共同創業者兼CEO、アレックス・マシンスキー(Alex Mashinsky)氏は述べた。
分散型取引所(DEX)の取引高は10月、前月から約25%下落し、194億ドル(約2兆円)。月間の取引高が減少したのは4月以降では初めて。分散型取引所(DEX)の大多数はイーサリアムのブロックチェーン上に構築されている。
データサイトのビットクエリ(Bitquery)によると、イーサリアムブロックチェーンでの取引手数料としてユーザーが支払う「ガス代」の最高額も10月、518万ギガウェイ(Gwei)から60万Gweiに低下した(Gweiは1イーサリアムの10億分の1)。
急落はネットワーク上で取引を行う市場参加者が積極的に注文していないことを示していると、ロンドンのプライムブローカー、ベクワント(Bequant)の研究部門長、デニス・ビノコウロフ(Denis Vinokourov)氏は説明する。
暗号資産レンディングプロジェクトのコンパウンド(Compound)が6月にガバナンストークン「COMP」を発行したことで、DeFiは爆発的な成長を見せてきた。取引手数料は第3四半期、2200万ドル(約23億円)から1億6600万ドル(174億円)に急増した。
その結果、イーサリアムマイナーの手数料報酬は9月、ビットコインマイナーの6倍以上となった。
10月の手数料報酬は著しく低下したものの、ビットコインマイナーの手数料報酬は4120万ドル(約43億円)にとどまっており、イーサリアムマイナーの手数料報酬は依然としてビットコインマイナーを上回っている。
翻訳:石田麻衣子
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:SunnyGraph/Shutterstock
原文:Ethereum Fees Plummeted 65% in October Following DeFi Volumes Back to Earth