ビットコイン150万円台に、NFT市場アンケート公開、コインベースが日本で求人ほか──10/30〜11/5の暗号資産・ブロックチェーンニュース

10月30日──スクエア、ビットコインウォレット開発のデザイナーに資金提供

モバイル決済大手のスクエア(Square)の暗号資産(仮想通貨)チーム「スクエア・クリプト(Square Crypto)」は10月30日、誰でも使えるビットコインウォレットの開発に挑戦するデザイナーに対して資金の提供を開始したとツイートした。

この取り組みは、資金を受け取ったマギー・バレンタイン(Maggie Valentine)氏が企画書で提起した質問に答えようとするものだ。その質問とは、「ユーザーの資金の安全性を守りながら、暗号資産に詳しくないユーザーに直感的な体験を提供するにはどうすればよいか?」というもの。

スクエアは10月8日に、同社の純資産の1%に相当する5000万ドル(約52億円)を使って4709ビットコイン(BTC)を購入したと発表した。今回の資金提供は、スクエアのCFO(最高財務責任者)であるアムリタ・アフジャ(Amrita Ahuja)氏がビットコインへの投資を発表した時の声明と一致しているようだ。

10月31日──サトシ・ナカモトの論文から12周年、BTC価格が1.4万ドルを突破

暗号資産ビットコインのホワイトペーパーにあたる論文「ビットコイン:P2P電子通貨システム」は10月31日、公開から12周年を迎えた。国籍など正体がまったく分かっていないサトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)という人物(またはグループ)によるものだ。

そしてこの日、ビットコイン価格は10月31日、1万4,000ドルを上回った。このところ、PayPalの暗号資産市場参入、スクエアによるビットコイン53億円分の購入など市場にとってポジティブな材料が報じられていた。

11月1日──ECB、リテール型CBDCを検討か──デジタルユーロのパブコメ募集

ECB、デジタルユーロへのパブリックコメントを実施──リテール型CBDCの検討を示唆
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欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)総裁は11月1日、デジタルユーロの発行に関するパブリックコメントを募集する計画を明らかにした。ECBが、個人や家計、企業が利用する「リテール型中央銀行デジタル通貨(CBDC)」の発行を検討している可能性が高い。

「ヨーロッパの人々が支出、貯蓄、投資においてますますデジタルに移行しているなか、我々はデジタルユーロを必要とするなら、その発行準備をすべきだ。この件についてみなさまの意見をぜひ聞きたい」とラガルド総裁はツイートした。

リテール型CBDCは、単に銀行間での使用を目的としたものではなく、金融の仕組みを大きく変えるものになるだろうと米CoinDeskのリサーチディレクター、ノエル・アチェソン(Noelle Acheson)氏はコメントしている。

11月2日──ビットバンク「暗号資産を貸して増やす」が全暗号資産に対応

暗号資産取引所のビットバンクは11月2日、最大年率3%の暗号資産を1年後に受け取ることができるサービス「暗号資産を貸して増やす」が、取り扱いのある全暗号資産に対応したと発表した。同社と顧客が暗号資産の消費貸借契約を締結して1年間の満了日の後、募集月に貸し出した暗号資産に、所定の利用料が加算されて戻ってくる。ビットコイン(BTC)のほか、ライトコイン(LTC)、リップル(XRP)、イーサリアム(ETH)、モナーコイン(MONA)、ビットコインキャッシュ(BCC)、ステラルーメン(XLM)が対象。受け取れる利用料は貸し出す額による。BTCの場合、3%受け取るには10BTC以上貸し出す必要がある。

11月3日──BTCマイニング難易度が大幅下落

ビットコインのマイニング難易度は11月3日、16%以上下落し、2012年後半にASIC(マイニングに特化した専用コンピューター)が登場して以来、最大の下落率となった。BTC.comのデータによると、難易度は16.7870Tまで低下し、6月以来の最低水準となった。この下落率は過去2番目に大きい。収益性が大きく改善するため、マイナーにとっては喜ばしい事態だ。

マイニング難易度は新しいビットコイン(BTC)をマイニングするために必要なリソースを測るための相対的な指標。ビットコイン・ネットワークが消費したハッシュパワー(マイニングに使われる演算能力)の増減に応じて、約2週間ごと(あるいは2016ブロックごと)に調整される。

3日の大幅な調整は、中国・四川省の多くのマイニング企業が雨季の終わりとともにマイニング機器の稼働を停止し、より安価な電力を求めて機器を移動させていることに伴って発生した。

11月5日──ブロックチェーンコンテンツ協会がNFT市場のアンケートを公開

ブロックチェーンコンテンツ協会が11月5日、公開した「ユーザーアンケートから見る NFT 市場」のレポートで、NFT購入理由として、 「ゲーム(サービス)を楽しむため」が38%であることに加え、 「長期投資」、 「投機目的」といった資産性を持つブロックチェーンコンテンツならではの理由が36%を占めること、10万円以上100万円以下の投資をするユーザーの割合が最も多く、 ユーザーの約8割が1万円以上を投資していることなどが分かった。

ブロックチェーンコンテンツ協会レポート「ユーザーアンケートから見る NFT 市場」より

アンケートは同協会が10月13日~19日、ブロックチェーンコンテンツ関連業者、 暗号資産交換事業者に対して実施。16項目について質問。内容は、ブロックチェーンゲーム(サービス)を始めた時期、NFT の購入経験の有無、NFT 取引の利益発生状況、ブロックチェーンゲーム(サービス)に関する情報収集手段──など。

アンケートではまた、 ブロックチェーンコンテンツの魅力として、 デジタルコンテンツを所有できることによって、 資産性を持ち、 愛着を持ちやすい点や、 コミュニティが強固になりユーザーと運営がサービスを共創できることなどがが寄せられたという。

11月5日──コインベースが日本で人材を募集

アメリカの最大手暗号資産取引所コインベースのBrian Armstrong CEOが11月5日、日本(東京)で人材を募集していることをTwitterで明らかにした。Webサイトでは日本の事業に関連する求人も掲載。データサイエンティスト、内部監査の責任者、AMLの責任者などを募っている。

11月5日──野村證券、BOOSTRYなどが「金融市場のブロックチェーン活用」研究会の研究結果を公表、STOの可能性や課題を指摘

野村資本市場研究所、野村證券、BOOSTRYは11月5日、「金融市場におけるブロックチェーン技術の活用等に関する研究会」の調査研究結果をWebサイトで公表した。新たな資金調達手法として注目されているセキュリティ・トークン・オファリング(STO)について、従来型の投資家にとどまらず、「興味志向」といったより広範な価値観を持つ投資家や、より広範な資産階層の投資家に訴求する可能性を指摘している。

研究会は2020年3月30日に設立。学識者および実務経験者などにより構成される。座長は岩下直行京都大学教授で、これまで計7回の会合を開催して産官学連携で調査研究をしてきた。

報告書はまた、STOについて「少子高齢化が進展し、家計金融資産が減少に向かっていく中、企業が新たな投資家層から資金調達することを通じて資本市場のすそ野を拡大し、長年の課題である『貯蓄から投資/資産形成へ』を促進する手立てになり得るもの」と評価。今後クリアすべき課題として次の3つを挙げた。

(1) 活発な発行市場の前提となる円滑な流通市場をいかに確保するか
(2) ブロックチェーン債が振替債とならないことに伴う税制上の課題
(3) 非金銭リターンの法律および実務上の扱いの明確化

11月5日──ビットコイン、150万円台に突入

アメリカ大統領選挙の結果を待ち望んだ11月5日、日経平均株価が2018年10月以来の高値を付けると、ビットコイン(BTC)は150万円を超えた。時価総額で最大の暗号資産であるビットコインはこれからどのような値動きをしていくのか。

勝敗を左右する激戦州では開票結果はまだ判明しておらず、現職のトランプ大統領が民主党を選挙を「盗もうとしている」と非難するなか、ビットコイン価格は今のところ、経済の迅速な回復を阻みかねない不透明感が長引く可能性がある。

「激戦州で数百万票の集計が依然として続いており、選挙はウォール街が期待していたよりも混迷し、長引いていることは明らか」とブルームバーグ・ニュースは伝えた。

文・編集:濱田 優
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