AP通信は7日、民主党のバイデン氏が共和党の現職、トランブ大統領を破り、当選を確実にしたと伝えた。ビットコインは8日未明(日本時間)に値を下げ、15000ドルを下回った。
バイデン氏は選挙戦で暗号資産の問題を取り上げなかったが、支持者の中にはバイデン氏がテクノロジー政策の改革を進めることを期待する人もいる。一方、反トラスト法(独占禁止法)の調査から逃れたいと望む大企業は多いだろう。
当記事執筆時点ではトランプ大統領は敗北を認めておらず、僅差の結果と二極化した状況を考えると、法廷闘争が長引く可能性が残る。
30年近く前、バイデン氏は暗号技術を非合法化する法案を提出、結果的には暗号鍵の「PGP」の開発を促進することになった。
主要ポジションの人選
バイデン氏はこれまでのところ、政権の主要ポジションに誰を指名するかを明らかにしていないが、財務長官にはボストン連銀によるデジタルドルの研究を監督しているラエル・ブレイナード(Lael Brainard)FRB理事が有力と伝えられている。
元CFTC(商品先物取引委員会)委員長のゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)氏も指名される可能性があると6日、ウォール・ストリート・ジャーナルは伝えた。
「他のポジションについては候補者の名前はあまり聞いていない」とブロックチェーン・アソシエーションのクリスティン・スミス(Kristin Smith)氏は先月、CoinDeskに語っている。
バイデン政権で暗号資産政策に「多くの変化」があるかもしれないが、業界にとって良いことか悪いことかはわからないとスミス氏は述べた。
「政権について言えば、我々にとって理想的なシナリオはこうしたポジションに精通した人物が就任することだ」
暗号資産業界からの政権入りも?
コンサルティング会社FS Vectorのジョン・コリンズ(John Collins)氏は先月、経済などの差し迫った問題を考えると、次期政権にとって暗号資産の優先順位は低いだろうが、この分野はまだ成長の余地があるはずとCoinDeskに語った。
「銀行に対する暗号資産カストディ指針のようなものは、変わらないだろう。バイデン政権のOCC(通貨監督庁)が指針を撤回するとは思わないが、新たな規制を作ることも難しいと考えている」
コリンズ氏はまた、これまでほとんどなかった暗号資産業界からの政権入りがバイデン政権では実現する可能性が高いと語った。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:次期大統領に当選確実となったバイデン氏(Gage Skidmore/Wikimedia Commons)
原文:Crypto Impact Unclear After Joe Biden Unseats Donald Trump as Next US President