ビットコインのマイニング企業の株価が記録的な上昇を見せている。
コロラド州に本社を置くライオット・ブロックチェーン(Riot Blockchain)の株価は、160%上昇して8.45ドルをつけて11月を終えた。ラスベガスのマラソン・パテント・グループ(Marathon Patent Group)の株価も同月、月間上昇率では過去最高となる190%超を記録。年初の水準から600%以上、値を上げた。
マイニング機器を製造するカナン・クリエイティブ(Canaan Creative)の株価も勢いに乗った。11月には140%近く上昇し、4.99ドルで30日の取引を終えた。
ライオット社の設備投資
ライオットは数千台もの最新鋭マイニング機器を購入していると、マイニングソフトウエア企業、HASHR8のトーマス・ヘラー(Thomas Heller)COOは述べる。
「ライオットは、2021年6月までに合計2万2640台のマイニング機器を配備する計画で、そのほとんどはビットマイナーのS19 Pro。マイクロBTのM30S++と並んで、最もパワフルで効率的なマイニング機器で、最も高価な機器だ」(ヘラー氏)
また、ライオットは第3四半期、保有するビットコインの価値が前年同期から約3倍に膨れ、900万ドル(約9億3000万円)になったと報告。マラソンは同四半期、過去最高となるマイニング収益を計上し、同じく保有するビットコインの価値が大幅に増加した。
マイニング機器の需要増
カナンの株価は9月、2019年11月の上場時の水準から85%下落したが、その後に上昇。11月末時点では、依然として上場時のレベルを18%下回っている。
カナンは第3四半期に1200万ドル(約12億5000万円)の損失を計上したが、マイニング企業からの機器需要が高まる中、同社の収益回復に対する期待は高まる。
「カナンに発注しても、マイニング機器の需要の高まりから、出荷は4月頃になるのではないだろうか」とヘラー氏はコメントしている。
ビットコイン関連銘柄
カナダ・バンクーバーに拠点を置くハイブ・ブロックチェーン(Hive Blockchain)の株価推移も注目すべきだろう。同社の株価は11月、160%以上上昇し、30日には1.23ドルで取引を終えた。
マイニング企業、ルクソール・テクノロジーズ(Luxor Technologies)の共同創業者、イーサン・ヴェラ氏は、「マイニング企業の株式は投資家にとって、ビットコインに投資するメリットを得るための非常に魅力的な手段」とした上で、「優れたマイニング企業は、弱気市場の中でも利益をもたらし、強気市場では並外れた利益をもたらすことができる」と述べた。
翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:ライオット株価の月間上昇率(CoinDesk)
原文:Riot, Marathon, Canaan See Record Monthly Share Gains as Bitcoin Clears All-Time High