住友商事とFXcoinがXRPの取引を実証実験
FXcoinは11月30日、住友商事グループ会社間の債権債務を暗号資産XRPで決済する実証実験を実施したと発表した。実施したのは11月27日で、XRPの先日付取引を含む。FXcoinは「暗号資産を用いた対大手事業会社の先日付取引は、本邦では初めての試み」としている。
実証実験の内容は、住友商事がグループ会社との間で、試験的に債権債務をXRPで決済。同社がFXcoinとの間でXRPの値動きをヘッジするために先日付取引を行い、特定の日付で当社にXRPを売却する──というもの。
FXcoinは発表で、「本邦において初めて暗号資産を使った先日付取引の有用性及び将来性を示すにとどまらず、当社で掲げる暗号資産のSwap市場創設につながっていくものと確信」しているとした上で、「このSwap市場を広げていくことで、暗号資産を建値とした取引の拡大に貢献」すると述べている。
実証実験には、住友商事に加え、住友商事グローバルメタルズ株式会社、FXcoinに出資しているSBIグループも参加した。
TKPがオンラインで出席・議決権行使が可能な株主総会のサービス、ウィルズ開発
レンタルオフィスなどを手掛けるティーケーピーは11月30日、 リアル とバーチャルのハイブリッド型の株主総会を総合的に支援する「株主総会ライブ配信支援パッケージ」で、傍聴のみ(参加型)だけでなく、 動議や議決権行使まで可能な「出席型」についても支援を開始したと発表した。
株主総会プロセスの電子化を推進する企業であるウィルズが開発、特許を取得しているブロックチェーン技術を活用した電子議決権行使プラットフォームを活用。ティーケーピーは同社と販売提携契約を締結している。
株主総会をオンラインで開催したり、オンラインとオフラインの両方で行ったりする動きはますます加速しそうだ。
ピザハット、ビットコインで支払い、ベネズエラで開始
世界90以上の国で展開するファストフードチェーンのピザハットが、支払いに暗号資産のビットコインを利用できるサービスを南米のベネズエラで開始した。デジタル資産を手がけるクリプトバイヤー社(CryptoBuyer)は11月28日、同社がベネズエラにおけるピザハットの決済パートナー企業に指名されたと発表。同社は社はパナマに本社を置くフィンテック企業で、暗号資産のATMサービスなどの事業を2015年から中南米を中心に運営している。
客はピザの注文に暗号資産のビットコイン(BTC)とダッシュ(DASH)に加えて、クリプトバイヤー社独自のトークン「XPT」を利用できる。ピザハット(ベネズエラ)のビットコイン決済は先に現地メディアの「El Axioma」が報じた。同社最高経営責任者のRichard Elkhouri氏は、同報道を認め、「ピザハットは技術イノベーションを活用する取り組みを進めている」とコメント。
ビットコイン、最高値を更新、3年ぶり
暗号資産の中で最も古く、最大の時価総額を誇るビットコインは11月30日、1万9864ドル(約207万円)を記録して史上最高値を更新した。グローバル市場が激しく変動した2020年、年初の水準からは170%の驚異的な上昇となった。CoinDeskのビットコイン・プライス・インデックス(BPI)によると、これまでの最高値は2017年12月に記録した19783ドルだったが、11月30日19786.24ドルに達した。
長期にわたりビットコインを保有してきた投資家は過去3年間、相場の下方トレンドを幾度も経験してきた。一方、新たに参入した投資家にとっては、暗号資産への投資を正当化できる記録更新となった。
ブルームバーグの株式アナリストを務めた後にデルフィデジタル(Delphi Digital)を共同創業したケビン・ケリー氏は、ドルベースで史上最高値を記録した事実を軽視することはできないと述べた上で、「(ビットコインにとっては)好材料となるマクロ経済状況にもかかわらず、なかなか最高値に達することができず、多くがその可能性を疑問視してきた。これでビットコインの強い力がある程度、証明されたのではないだろうか」とコメントした。
ビットコインを狙うサイバー犯罪、増加予想 ── “コロナ経済ショック”が要因か:報告書
サイバーセキュリティのカスペルスキー(Kaspersky)は11月30日、サイバー金融犯罪に関するレポートを発表。ビットコインを狙ったサイバー攻撃は、「多くの国がパンデミックの結果として経済的苦境に陥るにつれ、活発になる可能性がある」と述べた。新型コロナウイルス感染拡大による経済状況の悪化で、暗号資産(仮想通貨)が関係するサイバー犯罪が今後さらに増加すると予測しているのだ。
経済危機の中での法定通貨の下落という複合的な要因は、サイバー犯罪の増加につながり、ビットコイン詐欺やビットコインの盗難が増える可能性があると、同社は予測。また、「最も普及している暗号資産」のビットコインが主なターゲットになるだろうと述べている。
ラガルドECB総裁、リブラをけん制か──ステーブルコインは深刻なリスク
米ドルなどに連動するステーブルコインが広く普及するようになれば、「金融の安全性を脅かす可能性がある」と欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)総裁は11月30日、雑誌『L’ENA hors les murs』の記事で述べた。
ラガルド総裁は記事の中で、デジタルユーロの可能性を主張する一方で、暗号資産(仮想通貨)やステーブルコインなど、競合する可能性のある資産を批判。暗号資産の主なリスクは、暗号資産支持者がプラスと捉えている性質、つまり、暗号資産は純粋にテクノロジーに依存し、明確な発行者や要求できる権利が存在しないことにあると、ラガルド総裁は述べた。その結果、暗号資産は流動性や、安定性、信頼性が欠如し、「通貨に求められる機能を果たさない」としている。
Facebookのリブラ、「ディエム」に名称変更 ── その背景と意図
フェイスブック(Facebook)が主導して立ち上げたリブラ協会は12月1日、同協会が開発を進めるデジタル通貨「Libra(リブラ)」の名称を「Diem(ディエム)」に変更すると発表した。Diemは、ラテン語で「day(日)」を意味する。
スイス・ジュネーブに拠点を置くリブラ協会は2019年、米ソーシャルメディア大手フェイスグックが主導して、設立された。フィナンシャル・タイムズが先月報じた記事によると、リブラ協会はドル連動型のステーブルコインを2021年に発行することを目指している。
イーサリアム2.0「フェーズ0」の運用スタート──経緯と今後の予定
プルーフ・オブ・ステーク(PoS)メカニズムを備えた「イーサリアム2.0」の本格稼働に向けた最初のフェーズ「ビーコンチェーン」が、12月1日12時(協定世界時=日本時間1日21時)に運用をスタートさせた。
2015年に現行のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)のイーサリアム・ブロックチェーンが誕生して以来、PoSをベースにしたイーサリアム2.0の開発は続けられてきた。
グーグル検索、「ビットコイン価格」が1年6ヵ月ぶりに急上昇
ビットコインが史上最高値を更新したことで、ネット上でもそのキーワードを検索する動きが活発になっている。11月最終週、Googleトレンド(流行の話題についての一般の人々や個人投資家の関心を測る指標)では、「bitcoin price(ビットコイン価格)」の人気度を示す数値は世界全体で「21」となった。これは、およそ1カ月前の10から急上昇し、2019年6月以来の高水準だ。
文・編集:濱田 優
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