シンガポール国立研究財団(National Research Foundation=NRF)は、ブロックチェーン技術の実世界におけるユースケースの研究・開発をサポートするプログラムに1200万シンガポールドル(約9億3000万円)を投入する。現地のThe Strait Timesが12月7日に伝えた。
「シンガポール・ブロックチェーン・イノベーション・プログラム」には、多国籍企業や大手企業、IT企業など、最大75社が参加し、17のブロックチェーンベースのプロジェクトに取り組む予定だ。
3年間で、貿易と物流、サプライチェーンなどの分野で、複数のプロジェクトを立ち上げていくという。2006年に設立されたNRFは、シンガポールの研究・開発の方向性を決める首相府管轄の機関だ。
信頼性の高いビジネスシステム
今回のプログラムはNRFが資金を提供するが、情報通信メディア開発庁(Infocomm Media Development Authority)と企業庁(Enterprise Singapore:ESG)も参画している。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、「信頼性の高いビジネスシステム」の重要性が強まってきていると、企業庁のピーター・オン(Peter Ong)長官は述べた。「ブロックチェーン技術は、物流からサプライチェーン、貿易金融からデジタルID・認証にまで、幅広いアプリケーションに高い信頼性を組み込むことができる」
同プログラムで開発されたビジネスソリューションは、シンガポール企業が「よりグローバル化し、競争力を高める」一施策になるとオン長官は加えた。
翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:Manjik/Shutterstock
原文:Singapore’s National Research Foundation Invests $9M in Blockchain Innovation