マネックスグループの松本大CEOは2019年4月26日、都内で開いた記者懇談会で前日に発表した決算を受けてグループとしての見通しを示し、今後コインチェックのクリプトアセット事業が大きな利益をもたらすと述べた。
松本氏は「クリプトアセット(事業)、コインチェックは厳しい状況である」とした上で、「引き続き将来に向けた仮想通貨ビジネス、ならびにブロックチェーン関連のビジネスには、我々は強い期待を持っている。今期は黒字化を目指すが、今後、大きな利益を当社グループにもたらすだろうと考えている」と話した。
マネックスは、昨年1月に約580億円の仮想通貨不正流出を起こしたコインチェック(Coincheck)を同年4月に36億円で買収。コインチェックは流出から1年後の2019年1月に、仮想通貨交換業者として改正資金決済法に基づく正式な登録業者となった。
マネックスが今月25日に発表した決算資料によると、傘下の仮想通貨取引所コインチェックの収益を反映するクリプトアセット事業は2019年3月期通期で、税引き前利益が17億3200万円の赤字となった。仮想通貨の価格低迷で収益が減少、仮想通貨交換業者として登録するため、内部管理体制を整える人件費などの費用がかさんだものと見られる。
マネックスの松本氏は、米国での仮想通貨事業について7月に始める見通しを示した。2011年4月に買収した米国オンライン証券の「トレードステーション」を通じて、セミプロ向けに仮想通貨の売買プラットフォームを提供する予定だ。
質疑応答の中では「今期中の黒字化」(松本氏)という目標を示した。固定費を下げ、商品の数や種類を増やし、さらにマネックス証券からの送客でバランスをとるという。
4月24日にマネックス証券の株式売買などで貯めた「マネックスポイント」をコインチェックのアカウントで仮想通貨に交換するサービスを発表し、具体的な相互送客の仕組みが始まった。
26日の懇談会に出席したコインチェック代表取締役の勝屋敏彦氏は、「今後もマネックス証券との連携に力を入れる。(グループの)トレードステーションが今年の夏にクリプト(仮想通貨)取引が始まるので、うまく連携を図ってグループ全体で伸ばしていきたい」と話した。
「仮想通貨・暗号資産に限らず、トークンエコノミーを日本・世界へ広めていくため、努力していきたい。今後は対外的な発信を増やしていきたい」(勝屋氏)
文・写真:CoinDesk Japan編集部
編集:久保田大海、佐藤茂
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