ビットコインが史上最高値を更新した12月1日以降、機関投資家は過去2番目に大きい額の資金を暗号資産(仮想通貨)ファンドに注ぎ込んでいる。
大型の暗号資産ファンドに、先週だけで4億2900万ドル(約447億円)が流れ込んだ。週あたりの流入資金の最高記録は、3週間前の4億6800万ドル(約487億円)。デジタル資産運用会社コインシェアーズ(CoinShares)のデータを引用してロイターが12月7日に伝えた。
暗号資産ファンドの運用資産(AUM)は現時点までに、過去最高の150億ドル(約1兆5600億円)に増加。2019年末時点では、25億7000万ドルだった。また、ビットコイン(BTC)には現在までに、40億ドルが流入している。
ビットコインは12月1日、1万9920ドルの史上最高値を更新。急激な上昇の背景には、資金の一部をビットコインに投資する上場企業の動きや、ペイパルの暗号資産サービスの開始、強気のビリオネア投資家の存在などがある。
機関投資家への普及の転換点
「投機的な質問から『ビットコインは定着しているようだから、ぜひ教えてほしい』といったコメントから始まる質問へと明白にシフトしている」とコインシェアーズの投資ストラテジスト、ジェームズ・バターフィル(James Butterfill)氏はロイターに語った。
同氏はまた、ビットコインへの関心は非常に高く、機関投資家への普及の「転換点」にある可能性は高いと指摘。
ビットコインと関連する投資商品は先週、さまざまな暗号資産の中で大口投資家から最も人気を集めた。ビットコインはすべての暗号資産の運用資産4億2900万ドルのうち、3億3470万ドルとその大半を占めている。
その中で、イーサリアムは先週、2番目を占めた。イーサリアム2.0のビーコンチェーンの運用開始前に資金投入しようと考える投資家や、DeFi(分散型金融)の強気のファンダメンタルズなどから、およそ8710万ドル(約91億円)を集めた。
翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:nexus 7/Shutterstock
原文:Crypto Funds Have Seen Record Investment Inflow in Recent Weeks