インド政府がビットコインの取引に課す税法の検討を始めた。現地メディアの「The Times of India」が報じた。実現すると年間10億ドル規模の税収入が見込まれるという。市場からは、同国政府が暗号資産(仮想通貨)に柔軟に対応しようとする動きだとする見方が聞かれた。
The Times of Indiaによると、政府機関の中央経済情報局が同税法案を間接税・関税中央委員会に提出した。ビットコインを無形資産に分類し、その取引に18%の物品・サービス税(GST)を課すというもの。
インド国内のビットコイン取引は年間で約55億ドルにのぼる言われるが、提案の税率で課税した場合、約10億ドルの税収入が見込まれるという。
ムンバイの暗号資産取引所を運営するCoinDCXのスミット・グプタCEOは、「政府が暗号資産を一資産クラスとして理解しようとしている兆しだ。きわめてポジティブなニュース」とcoindeskの取材にコメント。
同じく取引所を運営するWazirXのニシャル・シェティCEOは、暗号資産における税制度が確立すれば、インド企業によるビットコイン市場への参入が増加する可能性があると述べた。
インドでは最高裁判所が3月に、暗号資産取引所に対する銀行の規制を解除。以来、暗号資産の取引量は増加傾向だ。インド政府はビットコインを法的な通貨とは見なしていないが、同国の国民が暗号資産を保有することは違法ではない。
翻訳抜粋:coindesk JAPAN編集部
編集:佐藤茂
写真:インド・ニューデリーの街並み(Shutterstock)
原文:India Mulls Imposing 18% Tax on Bitcoin Transactions