上場企業が資金の一部をビットコインに投資して多様化する動きが、カナダで相次いでいる。
拡張現実(AR)の技術を使った企業向けのサービスを開発するNexTech ARは29日、200万ドル(約2億700万円)の資金を使って、暗号資産のビットコインを購入すると発表した。資本の多様化が目的だとして、来年以降も状況に応じて買い増す可能性があるという。
カナダ・バンクーバーに本社を置くNexTechは、起業広告やEコマースなどに活用できるARを活用したソリューションを開発している。NexTechが保有する現金は9月30日現在、約1280万ドルで、今回のビットコインへの投資額はその16%に相当する。
NexTechの最高経営責任者(CEO)、エバン・ゲッペルバーグ氏は発表文で、「ビットコインへの投資は、資本の多様化における新たな取り組み」とした上で、「長期的に(NexTechの)企業価値を最大化させる目的だ」と述べた。
今月23日には、米ナスダックとトロントの証券取引所に上場しているカナダのフィンテック企業、モゴ(Mogo)が、150万カナダドル(約116万米ドル)の資金でビットコインを購入すると発表している。
アメリカでは今年、ビジネスデータの分析ツールを開発するマイクロストラテジーが、10億ドルを超える資金をビットコインに投資して、暗号資産と株式の両市場を驚かせた。マイクロストラテジーの経営を司るのはマイケル・セイラー氏で、これまでに企業がビットコインを保有する戦略の有効性を主張してきた。
編集:佐藤茂
写真:カナダ・トロント市の夜景(Shutterstock)
原文:Michael Saylor of the North? Canadian Firm NexTech AR Uses $2M of Treasury Funds to Buy Bitcoin