世界最大の暗号資産メディア「coindesk」を運営する米CoinDeskが、暗号資産インデックスを提供するトレードブロック(TradeBlock)を買収した。デジタル資産のニュースとデータ、イベントに価格インデックスを加えることで、同領域におけるメディアサービスを拡充させる。
買収は5日にCoinDeskが発表した。買収額などの詳細は明らかにされていない。買収後、トレードブロックの人員はそのまま残り、メディア事業からは独立して運営される。トレードブロックのデータセキュリティと機密性を維持するとともに、coindeskのジャーナリズムの整合性を維持する。
トレードブロックのインデックスは、200億ドル(約2兆1000億円)以上の投資商品に利用されており、毎月数十億ドルの取引が行われている。トレードブロックの「XBXインデックス」の最大ユーザーは、暗号資産ファンドを運営する米グレイスケール・インベストメンツ。
米CoinDeskの親会社であるデジタル・カレンシー・グループ(Digital Currency Group)はグレイスケールの親会社でもあり、DCGは以前、トレードブロックの株式を少数保有していた。
ウォール街からの市場参入
「我々は、メディア、イベント、リサーチ、価格、データを統合し、暗号資産の投資家にとって必須の存在になる」と米CoinDeskのケビン・ワース(Kevin Worth)CEOは声明で述べた。
米CoinDeskのマイケル・ケーシー(Michael Casey)最高コンテンツ責任者は、今回の取引は、NYダウ(ダウ工業株30種平均)、英フィナンシャル・タイムズのFTSE100、日経平均株価のような重要な金融インデックスを提供している報道機関の長い伝統に合致しているとブログに記した。
「そうした報道機関は、数字の整合性への信頼を育むために理想的な位置を占めている。(暗号資産に)ウォール街の金融機関が参入してくる。ウォール街は信頼できる価格情報を求めるだろう」(ケーシー氏)
暗号資産で最大の時価総額を誇るビットコイン(BTC)は昨年1年間で、300%以上も値を上げた。北米の一部の機関投資家や事業会社が、資金の一部をビットコインに投資する動きが強まった。
翻訳:coindesk JAPAN編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
画像:CoinDesk
原文:CoinDesk Acquires TradeBlock, Adding Indexes and Pricing to News, Events Offerings