ビットコイン、一時4万ドル超え──米議会乱入事件も上昇要因か

ビットコインは日本時間8日早朝、一時4万ドルを超えた。現在は3万90000ドル台で取引されている。

ビットコインは昨年11月30日(協定世界時)、3年前に記録した最高値の1万9793ドルを更新。12月31日までには、さらに1万ドル上昇した。12月のひと月で50%、2020年では300%以上の値上がりとなった。

年明けからわずか1週間で、12月のパフォーマンスを上回るペースで上昇。すでに2017年の最高値の2倍以上になっている。記録的な上昇によって、ビットコインは「デジタルゴールド」であり、機関投資家の大規模な参入をもたらしているとの見方が広まっている。

元ホワイトハウス広報部長のアンソニー・スカラムーチ氏が率いる投資会社、スカイブリッジ・キャピタル(SkyBridge Capital)が12月時点までに、1億8200万ドルをビットコイン関連に投資していたことが分かっている。また、生命保険会社のマスミューチュアル(MassMutual)が1億ドルの資金をビットコイン市場に投下し、グッゲンハイム・インベストメンツ(Guggenheim Investments)は運営するマクロファンドの最大10%をビットコインに投資した。

アメリカで広がる不確実性も上昇要因か

トランプ大統領の支持者が米議会議事堂に乱入したことなども、ビットコインの相場に影響を与えている可能性がある。

世界的なマクロ経済の不確実性は、法定通貨の切り下げにつながる恐れがあり、その結果、ビットコインの魅力を高めていると言われる。議会議事堂での騒動は「不確実性」を象徴していると言えるだろう。

アメリカでは民主党が上下両院で多数派を占め、大統領を含めて、いわゆる「トリプルブルー」となったため、政府支出が増加する可能性が高まっている。政府支出の増加はインフレの要因になり、ビットコインはそのヘッジと考えられている。

ビットコインの現在の市場価値は約7400億ドル。上場企業の時価総額と単純比較すると、テスラの7588億ドルやテンセントの7230億ドルにほぼ等しい。ビットコインより時価総額が大きい上場企業は7社しかない。

ドルに連動するステーブルコインの供給量も、ビットコインに並んで上昇している。12月31日以降、テザー(USDT)の供給量は10%以上上昇し、227億USDTに達している。USDコイン(USDC)も同様の上昇を見せ、約44億USDCとなっている(Glassnodeのデータ)。

|翻訳:coindesk JAPAN編集部
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:米議会議事堂(Shutterstock)
|原文:Bitcoin Tops $40K for First Time, Doubling in Less Than a Month