ビットコイン(BTC)の価格は週末にかけて大幅に急落した。デリバティブ市場で買い持ち(ロングポジション)していた一部のトレーダーがポジション清算に動き、現物市場の下げ圧力につながったようだ。
ビットコインは一時、3万305ドルまで値を下げた。11日21時時点(協定世界時=日本時間12日6時)で、3万3277ドル付近で取引されており、過去24時間で10.9%下落した。
価格は10時間移動平均線を上回っているが、50時間移動平均線を大きく下回っており、テクニカルチャートは横ばいから弱気を示している。
一時22%以上の下落
ビットコインの価格は、協定世界時10日22時(日本時間11日7時)の3万8947ドルから、協定世界時11日17時(日本時間12日2時)には3万305ドルとなり、19時間で8642ドル(22%以上)の下落となった。
その後、価格は持ち直し、日本時間12日10時時点では、3万5000ドル付近で取引された。
「ビットコインは、急激な上昇から一時的に反転。下落局面での追加購入を狙うトレーダーは、歓迎すべきタイミングだろう」とフェアリード・ストラテジーズ(Fairlead Strategies)のアナリスト、ケイティ・ストックトン(Katie Stockton)氏はコメント。
暗号資産取引所オーケーコイン(OKCoin)のジェイソン・ロー(Jason Lau)氏は、デリバティブ市場がビットコインの下落に拍車をかけたと述べる。「市場の修正は、高いレバレッジをかけたデリバティブ・ポジションの大規模な清算によって長続きしていた」
データサイトのBybtによると、10日はこの3カ月間で最大の清算日となり、暗号資産取引所バイナンス(Binance)だけで5億ドル以上の(ロング)ポジションが清算された。
健全な修正
一部の市場関係者によると、ビットコインの価格下落は必ずしも悪いことではないという。
「今日の下落は、2万ドル〜3万ドルでビットコインを購入した賢い機関投資家による健全な修正と見るべきだ。我々が投資家と話している懸念は、ビットコイン価格が上昇していたことではなく、そのスピード。1日の価格の動きの大きさだった」とExoAlphaの最高投資責任者、デビッド・リフチッツ(David Lifchitz)氏は語った。
11日、ビットコインが大幅に上昇し、その後に下落したことで、市場のボラティリティ要因は拡大した。ビットコインの30日ボラティリティは、71.9%まで上昇し、2020年6月5日以来の水準となった。
一方、Koineの機関投資家向けセールス責任者のルパート・ダグラス(Rupert Douglas)氏は、断固として強気姿勢を保っている。
「ビットコインは数週間で前回の最高値の2倍にまで上昇した。市場がこのような動きをするのはきわめて珍しいが、2023年までに50万ドルを超えると考えている」(ダグラス氏)
この発言は、ビットコインの将来価格に対するきわめて強気な発言だが、ダグラス氏はビットコインのボラティリティについても「2023年までには急激な反転があるだろう。上昇局面ではなく、下落局面で購入しよう」と述べた。
|翻訳:coindesk JAPAN編集部
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:TradingView
|原文:Market Wrap: Bitcoin Plunges to $30.3K as Options Traders Bet on Sub-$800 Ether