暗号資産(仮想通貨)市場は、2025年までに5倍に成長し、3兆ドル規模になる。米デジタル資産金融会社のバックト(Bakkt)ホールディングスが予測した。
投資家向けプレゼンテーションの中で予測した数字だ。
バックトは1月12日、特別買収目的会社(SPAC)のビクトリー・パーク・キャピタル(Victory Park Capital)との合併による株式公開に関する投資家向け説明会を開催。その会の中で市場予想を発表した。発表文によると、合併により同社の企業価値は約21億ドルに達するとの見通しも明らかにした。
こうした予測は、投資家や起業家、金融機関幹部が急成長を遂げるデジタル資産業界に対して、この1年間でいかに強気になっているかを示すものだ。特にビットコインの価格が2020年に4倍になったことで、そのスタンスは顕著になった。
暗号資産の時価総額は先週に初めて1兆ドルを突破した。CoinGeckoによると、ここ数日のビットコインや他の暗号資産相場の反落で、約9310億ドルまで縮小。
消費者向けサービスも展開
バックトは現在、主に機関投資家向けにビットコイン先物を含む暗号資産デリバティブ市場を運営している。2021年3月には、デジタル資産の管理やピア・ツー・ピアを含めた決済が可能な消費者向けアプリケーションを新たに発表する予定だ。
「当社は、消費者と事業者の双方の利益を拡大することにシフトしている。暗号資産の収益化を強化することで、巨大市場を真に解き放つ」とバックトのギャビン・マイケル(Gavin Michael)氏は11日、投資家に語った。
投資家向けプレゼンテーションの中でバックトは、取引関連費用を除いた収益は、2025年までに年平均成長率26%の5億1500万ドルにまで成長する可能性があるとし、2023年までにキャッシュフローを黒字化するとしている。
また同社は2020年、約1兆6000億ドルの「巨大なSAM(serviceable addressable market:サービス提供が可能な市場)」で事業を展開しており、2025年までに、同社のTAM(Total Available Market:実現可能な最大市場規模)は5兆1000億ドルまで拡大すると予測した。
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|翻訳:coindesk JAPAN編集部
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Bakkt
|原文:Eye-Popping Projection for $3T Crypto Market Underpins Bakkt Deal