エヌビディア、暗号資産マイニング専用GPUの生産を再開か

米半導体大手のエヌビディア(Nvidia)が、暗号資産(仮想通貨)マイニングに使われる専用GPUの生産を再開する可能性がある。同社エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼最高財務責任者(CFO)のコレット・クレス(Colette Kress)氏が明らかにした。

GPU(Graphics Processing Unit):グラフィックス・プロセッシング・ユニット。3Dなどの画像処理を行うための半導体チップ。コンピューター全体の処理を行うCPU(中央演算処理装置)に比べて、膨大な計算に適しているため、AI開発や暗号資産マイニングにも使われる。

SeekingAlphaによると、クレス氏は12日に行われたイベントで、仮に暗号資産市場の需要が「ある程度の」レベルまで回復すれば、同社は「CMP」と呼ばれる専用グラフィックカードの販売を再開する可能性があると語った。

CMPは、ビデオ出力を取り除いたGPUのことで、より安価に製造・販売が可能だ。

現在、同社のGPU「RTX 30」シリーズは暗号資産のマイニングを行う事業者に人気だが、クレス氏は「現在の当社のビジネスにおいては、マイニング需要は大きな部分を占めているとは考えていない」と述べた。一方、「ゲーム需要は非常に強く、現在の供給量を上回っていると考えている」と語った。

RTX 30シリーズの供給は、少なくとも2021年第1四半期末(3月末)までは厳しい状況が続いており、CMPの販売を再開することで、コンシューマー向け製品へのプレッシャーを軽減する可能性がある。

ビットコインのマイナー(マイニング事業者)は「ASIC」と呼ばれる高価な専用マシンを使っているが、イーサリアム(ETH)のような他の暗号通貨はGPUを使ってマイニングすることができる。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:マイニング機器にセットされたGPUカード(Shutterstock)
|原文:Nvidia May Restart Production of Crypto Mining GPUs if Demand Sufficient