米ブラックロック、ビットコイン先物投資を検討──SECに目論見書を提出

7兆8100億ドル(約808兆円)の資産を運用する米ブラックロックが、ファンドを通じてビットコイン先物への投資を検討している。

運用資産残高を持つ世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)は、少なくとも2つのファンドでビットコイン先物への投資を開始するようだ。

米証券取引委員会(SEC)に20日に提出された目論見書によると、「BlackRock Global Allocation Fund」と「BlackRock Funds V」の二つのファンドがビットコインに注目していることがわかった。両ファンドは、ビットコインを投資可能なデリバティブ商品に含めている。

ビットコイン先物への投資で、ブラックロックが利用する可能性のある取引所などの詳細は明らかにされていない。現在、ファンドが投資できるのは、現金決済のビットコイン先物のみで、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が現時点で商品先物取引委員会(CFTC)に登録されている唯一の取引所。

目論見書は、ビットコイン先物への投資は「比較的新しい」市場であるため、非流動性リスクを伴う可能性があると警告している。規制変更やボラティリティ、評価リスクも同様に価格に影響を与え、「ファンドに悪影響を与える」可能性がある。

ブラックロックの市場参入の可能性

今回の申請で、ブラックロックが先物商品を含むビットコイン市場に参入する可能性は、高まったと言える。

20日の申請以前、ブラックロックはSECへの提出書類の中で、ビットコインに言及したことはほぼなかった。目論見書には「特定のファンドはビットコインに基づく先物契約を結ぶことがある」と書かれている。

昨年11月、同社債券担当最高投資責任者(CIO)のリック・リーダー(Rick Rieder)氏は、暗号通貨は「現在のポジションを保ち続け」、ゴールド(金)を「大規模に」リプレースする可能性があり、ゴールドよりも「はるかに機能的だ」とCNBCに語った。

ラリー・フィンク(Larry Fink)最高経営責任者(CEO)はこれまでに、ビットコイン人気が高まっていることを認め、世界市場資産になる可能性があると述べている。

また、ブラックロックは、ニューヨークを拠点にブロックチェーン関連を担当する部長職(バイスプレジデント)の募集を始めている。この部長職は、暗号資産の評価方法を考案するだけでなく、ガバナンスモデルやブロックチェーン技術の他の側面を評価できる能力が求められると募集要項には書かれていた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Shutterstock
|原文:BlackRock Gives 2 Funds Go-Ahead to Invest in Bitcoin Futures