フォーブスが毎年、注目のブロックチェーン企業を紹介する「ブロックチェーン50」を発表、3回目の今回は世界最大の銀行であるICBC（中国工商銀行）を含む21社が新たに選ばれた。国・地域別に分類してみると、米国が25社、中国が6社、スイスが3社などと多かった。
昨年は4社だった中国の6社の内訳は、アントグループ、バイドゥ、中国建設銀行、中国工商銀行、平安、テンセント。アジアからは中国のほかに、昨年は1社だった韓国から2社（カカオ、サムスン）、昨年は0社だったインドが1社（テックマヒンドラ）が入った。日本企業は含まれていない。
ブロックチェーン50は米国フォーブスが、分散型台帳技術分野の採用でリードしている企業や、収入または時価総額が最低10億ドル（1ビリオン）の企業を選んだもの。フォーブスは、FacebookやGoogle、Amazon、Rippleなどもブロックチェーン分野で依然アクティブとしながらも、過去12ヵ月に限ると目立たなかったとしている。
フォーブス50の企業と本社所在地
全50社を10社ずつ紹介していこう。
A.P. Moller-Maersk（デンマーク）
Ant Group （中国）
Baidu（中国）
BHP（オーストラリア）
Binance （ケイマン諸島）
Boeing （米国）
Cargill （米国）
Carrefour （フランス）
China Construction Bank （中国）
CME Group（米国）
アリババを含むアントグループは、独自のブロックチェーンプラットフォーム・アントチェーン上で50以上のアプリを開発している。昨年も選ばれたバイドゥは、フィンテック企業「度小満金融（Du Xiaoman Financial）」が20以上のブロックチェーンソリューションを発表している。昨年は選ばれなかったボーイングやカルフールが入った。世界最大級のデリバティブ取引所を運営するCMEグループも同様に選出。
Coinbase （米国）
CONA Services（米国）
Credit Suisse （スイス）
Daimler （ドイツ）
Depository Trust & Clearing Corporation (DTCC) （米国）
Digital Currency Group （米国）
Equinor （ノルウェー）
Fidelity （米国）
Honeywell （米国）
HSBC （英国）
コインベースやVCのデジタルカレンシーグループなど、暗号資産・ブロックチェーン業界でよく知られた企業のほか、フィデリティやクレディ・スイスなど既存金融の枠組みにおける大企業も選出。HSBCは英国から1社選ばれた。
IBM Corporation（米国）
ICBC （中国）
ING Group （オランダ）
JPMorgan Chase （米国）
Kakao （韓国）
LVMH （フランス）
Microsoft （米国）
Microstrategy （米国）
National Basketball Association（米国）
Nornickel （ロシア）
IBMやマイクロソフトなど大手IT企業のほか、NBA(全米バスケットボール協会）や、ルイ・ヴィトンなどのハイブランドを抱えるLVMH（モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン）も選出。カカオは、5200万人が利用しているカカオトークのユーザーのうち、37万人がデジタルウォレットを認証。そのうち10%が毎日利用しているという。
Northern Trust （米国）
Novartis （スイス）
Oracle （米国）
PayPal （米国）
Ping An （中国）
Samsung Group （韓国）
Sappi （南アフリカ）
Saudi Aramco （サウジアラビア）
Signature Bank （米国）
Square （米国）
ペイパルやスクエアのほか、スイスのバイオテクノロジー・製薬企業ノバルティスやサウジアラビアの国有石油会社・サウジアラムコなどが選出。アジアからは中国の平安が初めて、韓国のサムスンは昨年に続いて選ばれた。
State Farm （米国）
Stone Ridge （米国）
Swisscom （スイス）
Tech Mahindra （インド）
Telefonica （スペイン）
Tencent （中国）
Vanguard （米国）
Visa（米国）
VMware （米国）
Walmart （米国）
ビザ、ウォルマートなどのほか、世界最大級の資産運用会社バンガード、個人向け保険で国内首位を争う規模のステートファームなどの米国企業が選出。インドから1社選ばれたテックマヒンドラは、ITサービスやアウトソーシングサービスを提供している。
｜文・編集：濱田 優
｜画像：Forbes Webサイトより
