米電気自動車(EV)大手のテスラが、暗号資産のビットコイン(BTC)に15億ドル(約1580億円)を投資していたことがわかった。
テスラが米証券取引委員会(SEC)に提出した2020年度の年次報告書によると、同社は投資に対する方針を1月に更新。それに基づき15億ドルをビットコインに投資したと述べた。
テスラは今後、状況に応じてデジタル資産の購入と保有を検討していくと、同報告書に記した。また、テスラは同社のプロダクトに対する支払いにおいて、ビットコインの利用を受け入れる準備を検討していることも明らかにした。受け入れ次期は「近い将来」としている。
マスク氏は今月、招待制のオーディオチャットアプリ「Clubhouse」を利用して、暗号資産(仮想通貨)ビットコインについての見解を述べている。その際、「8年前にビットコインを買っておくべきだった。現時点でビットコインは良いものだと思うし、僕は支持している」とコメントしていた。
日本企業への影響は
暗号資産取引所「クラーケン(Kraken)」を運営するPaywardで、日本法人CEOを務める千野剛司氏は、「テスラはビットコインの購入に投下した資金で単独首位、保有量でも上位に踊り出た。米国でこれまでビットコインを購入してきた企業は、グレイスケールなどの投資会社に加えて、ペイパルなどのIT・ペイメント関連の企業が中心だった」とした上で、「テスラが将来的にビットコインで自社製品の購入を可能とするよう検討していることは、ものづくりが基幹産業である日本の企業にも、少なからず影響を与えるのではないか」とコメントした。
テスラに関するニュースが報じられた後、ビットコインの価格は上昇し、初めて4万7000ドルを突破。史上最高値を更新した。北米の一部の機関投資家と企業がビットコインに対する投資活動を進めており、同暗号資産の価格に勢いを与えている。
上場企業でデータ管理・分析サービスの米マイクロストラテジーは、資金の一部をビットコインに換えて保有する財務戦略を進めてきた。
「これは一般に知られる事業会社が暗号資産を導入するフェーズの始まりだと、考えている」と暗号資産取引所「LMAX Digital」のストラテジスト、ジョエル・クルーガー氏はコメントした。
|編集:佐藤茂
|画像:テスラCEOのイーロン・マスク氏(Shutterstock)
|原文:Tesla Invests $1.5B in Bitcoin, Plans to Accept Crypto Payments
|編集部より:専門家のコメントを追記し、記事を更新しました。