シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が、暗号資産「イーサリアム(ETH)」の先物取引をスタートさせた。
昨年12月中旬に発表されたイーサリアム先物は今月7日、取引を開始。2月限の初値は1669.75ドルだった。その時点のスポット現物の取引価格は約1600ドル。
当記事執筆時点での取引数は77で、ほとんどは2月限に集中している。
CMEのイーサリアム先物は現金決済で、主要暗号資産(仮想通貨)取引所のビットスタンプ(Bitstamp)、コインベース(Coinbase)、ジェミニ(Gemini)、イットビット(itBit)、クラーケン(Kraken)などのデータを元にしている。
史上最高値を更新するイーサリアム
認可を受けたイーサリアム先物としては世界初となり、イーサリアムに対する機関投資家からの需要は今後、増加することが予想される。
「早期にビットコインに投資を行っている伝統的な金融機関は、すでにイーサリアムを検討している。最も使われている暗号資産ネットワーク + 金融の未来 + デフレ金融政策の可能性というストーリーが、イーサリアムを非常に魅力的なものにしている」と、データサイトのメッサーリ(Messari)の共同創業者、シャオ・ワン(Qiao Wang)氏は7日、ツイートした。
ワン氏は、イーサリアムが長期的には5000ドルの値がつくと予想している。イーサリアムは5日、1700ドルの史上最高値を記録した。
先物取引と現物価格との関係
CMEが12月16日にイーサリアム先物の計画を発表して以来、イーサリアムの価格は3倍以上になった。CMEがビットコイン先物を開始した2017年12月17日までに、ビットコインが6000ドルから1万9783ドルまで上昇した値動きに似ているのかもしれない。
ビットコインはその後、1年にわたる弱気相場となったが、イーサリアムは今後、強気相場を続ける可能性が高いとの見方が聞かれる。
「市場はより成熟しており、マクロ状況も異なる。多くの異なるプレイヤーたちが関わっている」と、トレーダーでアナリストのアレックス・クルーガー(Alex Kruger)氏はツイートした。
スイスに拠点を置くクリプト・ファイナンス(Crypto Finance)のパトリック・ホイザー(Patrick Heusser)氏は、イーサリアムが幅広い市場を高値に導いていくと予測している。
「週末、ETH/BTCをロング(買い持ち)にし、DeFi投資を一部減らした。イーサリアム先物の取引開始と、特定の値動きに関連があるとは考えていない」とホイザー氏は述べた。
|翻訳:山口晶子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:coindesk TV
|原文:Ethereum Futures Are Now Trading on CME