仮想空間の区画を1億6000万円で売却、NFT取引で過去最高

ノン・ファンジブル・トークン(NFT)を使ったデジタル作品を420イーサリアム(当時、約6900万円)で購入した男性が、ブロックチェーンゲーム内のNFTを使った仮想区画を888.25イーサリアム(約1億6000万円)という記録的な金額で売却した。

2月8日に売却されたのは「アクシー(Axie)」と呼ばれる仮想の生き物を育てたり、戦わせたりするブロックチェーンゲーム「アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)」内のNFTを使った仮想区間。「フライング・ファルコン(Flying Falcon)」という名前のプレイヤーが、ゲーム内の隣接する9つの区画を購入した。

※ノン・ファンジブル・トークン(NFT):コピーできない唯一性を持つトークンで、所有権を表すことができる。例えば、1ビットコインは、どの1ビットコインでも同じ価値(ファンジブル)だが、NFTはそれぞれが固有の価値を持つため1対1で交換することはできない(ノンファンジブル)。

デジタル収集物データサイト「NonFungible」によると、今回の取引はNFTの取引としては過去最高額となった。これまでは「F1 Delta Time」というレーシングゲームのコースの一部「Formula 1 Grand Prix de Monaco 2020 1A」の22万4111ドル(約2350万円)が最高額だった。

1万イーサリアム(約18億円)の区画も

「購入した区画はアクシー・インフィニティの中で最も希少で、最も良い区画であり、私のテーマにフィットしていた。私たちは歴史的な瞬間を目撃している。明確に定義され、取り消すことができない財産権という独自のシステムを備えたデジタル国家が出現している」とフライング・ファルコンは語った。

「歴史が作られた! アクシー・インフィニティの区画を888.25イーサリアム(約150万ドル)で売却した。これはブロックチェーン史上最大のデジタル土地の売却。新オーナーのフライング・ファルコン、おめでとう」

今回売却された「エピック9」区画は、これまでのところNFT分野で最大の売却額となっているが、他にも3つほどの区画が100〜1万イーサリアムの高値で販売されている。

アクシー・インフィニティの仮想区画は、供給量が限られており、「ユニークな美しさ」とゲーム内で優位性を獲得できることが特徴だ。

「今回の売却は、NFTの短い歴史におけるきわめて大きな発展を意味している。仮想経済はデジタル化が進む世界の新しいフロンティアとなる」と売り手のダニー(姓は伏せることを望んだ)は話した。

ダニーは先日、レアな「ハッシュマスク(Hashmasks)」と呼ばれるデジタル作品を420イーサリアム(購入時の円換算で約6900万円)で購入している。

※敬称略

|翻訳:coindesk JAPAN編集部
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Axie Infinity
|原文:Virtual Property Sells for $1.5M in Ether, Smashing NFT Record