ペイパル、デジタルドル(CBDC)の流通機能を狙う

米決済大手のペイパルは、デジタルドル(中央銀行デジタル通貨)が発行された際の流通機能を担おうとしている。

同社最高経営責任者(CEO)のダン・シュルマン(Dan Schulman)氏は11日に開催した投資家向けイベントで、同社のデジタルウォレットは中央銀行がCBDCを流通させる際の手段となるというビジョンを語った。

「今後2、3年、あるいは5年で、どれだけのデジタルウォレットが登場することになるかを考えてみてほしい。我々は、中央銀行や政府がCBDCを流通させることを補完することが可能だ」

シュルマンCEOは、ペイパルがスマートコントラクトや他の非暗号資産のトークン化を検討していることを明らかにした。

「これはシステムの基本的な部分を再定義する数十年に一度のチャンスであり、我々にとっては、これらをサポートできる大きなチャンスだ」(シュルマンCEO)

ペイパルは、暗号資産取引に関する最新データも発表した。

暗号資産関連サービスを利用する顧客は、週ごとの取引高が12%増加している。これは、暗号資産関連サービスを利用しているアメリカのペイパル顧客の40%以上が、さらに2回以上の取引を行っていることが要因のひとつになっていると同社は述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Shutterstock
|原文:PayPal Wants to Be a CBDC Distributor