仮想通貨取引所ビットフィネックス(Bitfinex)の最高テクノロジー責任者(CTO)、パオロ・アードイノ(Paolo Ardoino)氏は、同取引所のネイティブコインである「レオ(LEO)」のプライベートセールで、10億ドル(約1091億円)に相当するテザー(USDT)の調達に成功したと発表した。
2019年5月13日(現地時間)、アードイノ氏は、仮想通貨産業内外の大手企業もプライベートセールに参加し、目標調達額をわずか10日間で達成したとツイッターで発表した。
具体的な名は明かされなかったが、参加企業はそれぞれ1億ドル以上出資し、その他のユーザーは100万ドル以上出資したと同氏は述べている。
@bitfinexは10億USDTを10日間で調達することができました。仮想通貨産業内外の非公開企業からはそれぞれ1億ドル以上の出資、内部および外部の大勢のユーザーからは100万ドル以上の出資が得られました。
「彼らは我々が信頼に足ることを知っており」、弊社を「よく理解しています」と同氏は別のツイートで語っている。
しかし同氏はツイッターで訂正を加えている。「誤解があるようなので補足します。調達資金のほとんどは、ビットフィネックスの親会社であるアイフィネックス(iFinex)に直接連絡を取り、アイフィネックスと直接契約した投資家による出資です」
先週、ビットフィネックスの株主、ジャオ・ドン(Zhao Dong)氏は、同社がLEOに対して、10億ドルのハード・コミットメントおよびソフト・コミットメントを獲得したことを発表している。ソフト・コミットメントの場合、投資家は出資したUSDTをロックしておらず、出資を取りやめることができる。また同氏は、「ビットフィネックスは、LEOのパブリックセールを実施しない可能性が高い」と付け加えている。
ビットフィネックスがトークンセールを発表したのは5月4日。ビットフィネックスが8億5000万ドル相当の損失を隠蔽した疑惑について調査を行っているとニューヨーク司法当局が明かした数日後のことだった。8億5000万ドルの資産にアクセスできないのは、決済企業クリプト・キャピタル(Crypto Capital)のもとにあった資産が、法執行機関に押収されたからだと同社は主張している。
先週発表された、今回のトークンセールについての公式ホワイトペーパーの中で、取り戻すことができた資産は、発行されたLEOトークンを「買い直し、バーンする(流通している仮想通貨の量を減らす)」のに使われる予定だと同社は述べている。
ビットフィネックスは来月、似たようなイニシャル・エクスチェンジ・オファリング(IEO)を通じて、資金調達するための専用プラッフォームを立ち上げる予定。
翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Bitfinex image via Shutterstock
原文:Bitfinex’s Private Token Sale Raised $1 Billion in 10 Days, Exec Says