イーロン・マスク氏、SECに挑戦的なツイート、暗号資産のドージコインを巡って

米電気自動車大手テスラのイーロン・マスクCEOが、米証券取引委員会(SEC)に対して挑戦的ともとれる発言をツイッター上で行っている。

マスク氏は暗号資産(仮想通貨)のドージコイン(DOGE)についてツイッター上で投稿していたが、この行動に対して米証券取引委員会(SEC)が調査に乗り出しているという噂が本当であれば「素晴らしい」と投稿した。

「望むところだ! 素晴らしい」

マスク氏とSECは犬猿の仲と言われているが、同氏はSECとの新たな戦いを楽しんでいるようだ。マスク氏は2018年に「SECには敬意を持てない」と発言している。

SECは、インターネット・ミーム(インターネット上で話題となり、拡散した画像などを示す)となった柴犬をモチーフにしたドージコインを証券とは考えていないため、SECがドージコインの市場操作に関する調査に乗り出すことは考えにくい。

しかし、SECがマスク氏のツイートを監視していることは良く知られている。マスク氏は過去にテスラ社の上場廃止の可能性についてツイートし、同社株価に影響を与えたとしてSECから提訴された。その後、SECと和解したが、ツイートの監視は和解条件の一つだ。

マスク氏がドージコインの価格を押し上げている証拠をSECが探し始めれば、見つけることは難しくないだろう。ある時、マスク氏は自身を「ドージコインCEO」と呼び、ドージコインの価格を押し上げるような画像を頻繁にツイートし、さらに2月には、他の親たちは子供に子犬を買い与えるかもしれないが、生後9カ月の息子にドージコインを買ったとツイートした。

2月25日には以下のような画像を投稿している。

そしていつも通り、マスク氏のツイートの後、ドージコインは上昇した。まるで「パブロフのドージコイン」だ。

今回の噂の出所はよくわからない。噂自体がフェイクで、市場操作を狙った可能性もある。もしそうであれば、SECとの戦いを楽しむことはできず、マスク氏は一連の行動を後悔することになるかもしれない。

|翻訳:山口晶子
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:イーロン・マスク氏がツイートした画像(Elon Musk/Twitter)
|原文:Musk Says He Hopes Rumors That He’s in the SEC’s DOGE House Are True