欧州のプロスポーツチームなどが、ファンやサポーターにデジタルトークンを販売して、資金を調達するケースが増えている。そのファントークンの発行と販売を可能にするプラットフォームを運営するChilizは、5000万ドル(約54億円)の資金を米国での事業拡大に投入する。
欧州のマルタに拠点を置くChilizは、ニューヨークに事務所を開設し、米国のスポーツチームがファントークンを発行できる環境を整備していく。同社CEOのアレクサンドル・ドレイファス氏がロイターの取材で明らかにした。
Chilizはこれまで欧州のプロサッカークラブを中心に事業を進めてきた。ファントークンを発行・販売することで、プロスポーツクラブは資金を調達することができる。一方、トークンを購入したファンは、クラブチームが行う投票企画に参加できる権利や、グッズなどを入手できる権利などを取得できる。
米国の巨大スポーツ市場
「事業のグローバル化と成長を促すうえで、米国は重要な市場。5000万ドルの資金を使い、北米の主要プロスポーツリーグに属するチームがファントークンを導入できるようにしていきたい」とドレイファス氏はロイターの取材でコメントしている。
北米の主要プロスポーツリーグには、アメリカンフットボールのNFL、メジャーリーグベースボールのMLB、バスケットボールのNBA、アイスホッケーのNHLなどがある。
Chilizはこれまでに、欧州のサッカークラブの「FCバルセロナ」や「ユベントス」、「パリサンジェルマン」を含む20以上のプロスポーツチームとeスポーツチームとパートナーシップ契約を結んできた。ファントークンは、ブロックチェーンを活用したプラットフォーム「Socios.com」で、発行・販売される。
Chilizは、日本の暗号資産取引所大手のコインチェック(Coincheck)とも連携を始めている。コインチェックは2月、Chilizの「Socios.com」で利用できるトークンを、コインチェックの「NFTマーケットプレイス」で取り扱うための検討を開始したと発表している。NFTはノンファンジブル・トークンのこと。
|編集:佐藤茂
|画像:サンフランシスコのスタジアム(Shutterstock)
|原文:Fan Token Platform Chiliz Plans to Splash $50M on Expansion Into US Sports Leagues