ビットコインが生まれて10年。仮想通貨・ブロックチェーンのエコシステムが進化を続ける中、5月13日にニューヨークで始まったイベント、Consensus2019の最終日は、10年の節目にふさわしいセッションが並ぶ。
ビットコインに次ぐ時価総額を有するイーサリアムは、スマートコントラクトと呼ばれる永続的なコードを実行可能なプラットフォームだ。その開発の支援や普及を行うイーサリアム財団は15日、完成形となるイーサリアム2.0の開発状況を報告する。
学術界からも著名な研究者が議論に参加する。ジョージタウン大学でブロックチェーンの研究を行う松尾真一郎氏と、スタンフォード大学・電気工学教授のデイビット・ツェー(David Tse)氏は、ブロックチェーン技術の進化に伴う研究の変化について話し合う。
イーサリアムの価格変動
また、イーサリアムの発行量の4割近くが160弱の口座によって保有されていると報じられる中、同通貨の価格を左右するものとは何か?仮想通貨の不正検出やマネーロンダリングの調査などを行う米ソフトウェア開発会社チェイナリシス(Chainalysis)は同日、イーサリアムの価格変動に関する調査結果を発表する。
ブロックチェーンのデータ分析は、マネロン対策でも重要なテーマだ。チェイナリシスには、三菱UFJイノベーション・パートナーズの運営するファンドが出資している。
Consensus2019の幕を引くのは、ビットコインの世界における著名な開発者として知られるアダム・バック(Adam Back)氏。現在、ブロックストリーム(Blockstream)のCEO(最高経営責任者)を務める同氏は、米国大手オンライン小売業オーバーストック・CEOのパトリック・バーン(Patrick Byrne)氏と共に未来を語りながら、3日間に及んだイベントの幕を閉じる。
米CoinDeskが主催する「Consensus2019」は、ニューヨークで開催されるブロックチェーン・仮想通貨をテーマにした世界最大級のカンファレンス。この領域をリードする企業トップや開発者が集まり、5月13日〜15日の3日間にわたりさまざまなテーマで議論やプレゼンテーション、ワークショップ、ネットワーキングが行われる。CoinDesk Japanは5月30日、Consensus2019報告会を開催する。
文:小西雄志
編集:佐藤茂
写真:Shutterstock