暗号資産(仮想通貨)交換業を展開しながら、民間発行のデジタル通貨の研究開発を進めるディーカレットが、67億円の資金を調達する。
ディーカレット(本社・東京千代田区)は23日、資金は民間発行デジタル通貨の開発に充てると発表文の中で説明した。スマートコントラクトの実装を可
能にする二層構造デジタル通貨プラットフォームや、ブロックチェーンを利用したあらゆるデジタル価値の交換プラットフォームの開発体制を強化していく。
今回の調達ラウンドに参加した企業は10社。そのうち、SBIホールディングス、日本電信電話(NTT)、ゆうちょ銀行、三菱商事、セコムの5社が新たに、ディーカレットの株主となった。残りの5社は、既存株主のインターネットイニシアティブ(IIJ)、KDDI、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、綜合警備保障(ALSOK)。資金の払い込みは今月26日を予定している。
世界では、中央銀行デジタル通貨(CBDC)や法定通貨などに連動するステーブルコインの発行など、デジタル通貨の実現に向けた動きが加速している。ディーカレットは、国内のパートナー企業との連携を強めながら、民間発行デジタル通貨による送金・決済基盤の研究開発を進めている。
また、ディーカレットは23日、昨年まで金融庁長官を務めた遠藤俊英氏を同社の特別顧問に起用すると発表した。遠藤氏は4月1日から、ディーカレットのデジタル通貨事業や暗号資産事業などの戦略面における助言を行う。
|編集:佐藤茂
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|(編集部より:特別顧問の就任を追記し、記事を更新しました)