ビットコインのマイニングを手がけるHut 8は、3000万ドル(約33億円)分のエヌビディア(Nvidia)製の新しいマイニング専用GPU「CMP」を購入し、ビットコイン以外の暗号資産のマイニング事業を開始する。
「CMP」(クリプトカレンシー・マイニング・プロセッサー:Cryptocurrency Mining Processor)は、エヌビディアが今年初めに暗号資産マイナー(マイニング事業者)向けに発売した新製品。
CMPの発売は、エヌビディアの顧客戦略の一環だ。本来、同社の高性能GPUはゲームユーザーが主要顧客だったが、マイナーからの需要の増加によって供給不足が続いていた。マイナー専用のCMPは、マイナーのGPU需要を吸収することが目的の1つでもある。
エヌビディアのCEOコレット・クレス(Colette Kress)氏は、新製品であるCMPの1〜3月期の売上を約5000万ドルと予想していた。Hut 8からの注文は、1回の注文で目標の60%をクリアしたことになる。
CMPはHut 8が計画している収益の多様化に、「新たなチャンスをもたらす」と、Hut 8のジェイミー・レバートン(Jamie Leverton)CEOは声明で述べた。CMPはアルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)のマイニングに利用され、Hut 8は夏の本格稼働を目指している。
イーサリアムなどのアルトコインのマイニングに進出することは、「イーサリアムマイニングに力を入れるハイブ(Hive)の株価に見られるように投資家から高く評価されている」と、シアトルに拠点を置くマイニング企業ルクソール・テクノロジー(Luxor Technology)の共同創業者イーサン・ベラ(Ethan Vera)氏はコメント。Hut 8の狙いもそこにある。
カナダ・トロントに拠点を置くHut 8の株価は、年初から130%上昇し、7ドルをわずかに超えている。一方、ビットコインは年初から77%上昇している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
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|原文:Hut 8 Buys $30M Worth of Nvidia’s New Crypto Mining GPUs