ブロックチェーンを活用したエコシステムを構築するエンジン(Enjin)が、ポルカドット(Polkadot)を使ったノンファンジブル・トークン(NFT)専用のブロックチェーンを開発する。開発資金として、1890万ドル(約21億円)を調達した。
シンガポールに本社を置くエンジンは4月1日、ゲームアプリの開発者や企業、クリエイターなどが利用できる次世代型NFTブロックチェーン「Efinity」を発表。今回の調達ラウンドは、Crypto.com CapitalやDFGグループ、Hashedがリードし、HashKeyやDeFi Allianceなどが参画した。
エンジンはポルカドットを利用して、誰もがNFTの経済圏に参加できるプラットフォームの開発を進めていく。Efinityは、6秒毎に取引を処理できるように設定され、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)が使用される。
NFT:ブロックチェーンを活用してアート作品やゲームのアイテムなどとひも付け、唯一無二の証明を可能にする。製作者や所有者の情報や取引履歴なども管理される。
プルーフ・オブ・ステーク(PoS):ビットコインが採用している決済承認方法「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」とは異なり、発行済コインの総量に対する保有コインの割合に応じて承認作業を行う割合を決める方法。
ポルカドット:イーサリアムの共同創設者のギャビン・ウッド氏を中心に開発を行うPoS(Proof-of-Stake)系ブロックチェーンプロジェクト。
エンジンは、同社が開発したクロスチェーントークン規格のパラトークンを活用することで、任意のブロックチェーンからトークンをEfinityネットワークに移動し、ポルカドットのエコシステム全体で使用できる仕組みを作る。パラトークンは既に、マイクロソフトやナイキ、NFTマーケットプレイスの「OpenSea」などで採用されている。
エンジンは、ブロックチェーンを活用したデジタル資産を発行する「エンジンプラットフォーム(Enjin Platform)」を開発した企業で、マイクロソフトの人気ゲーム「マインクラフト(Minecraft)」などの複数のゲームと、NFTの発行で連携している。
エンジンプラットフォームでは、暗号資産(仮想通貨)のエンジンコイン(ENJ)が利用されている。日本国内では、暗号資産取引所のコインチェックがエンジンコインを取り扱っている。
今回のプロジェクトで、Efinityのパラトークンになるのは「Efinity Token(EFI)」。EfinityにENJをステーキングし、ENJでトークンを作成することに対するリワードとして、エンジンは2250万ドル相当のEFIを確保した。
ステーキング:プルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用したブロックチェーンにおいて、暗号資産を保有し、ネットワークに参加することで報酬を得る仕組み。ビットコインの「マイニング」に相当する。
ENJをステーキングするユーザーは、ネットワーク料金やマーケット手数料、スマートコントラクト料金などから収集されたEFIも獲得することができる。
|編集:佐藤茂
|トップ画像:エンジンコインのシンボル(Shutterstock)