暗号資産(仮想通貨)取引所やNFTのマーケットプレースを運営するコインチェックが、ゲーム『The Sandbox』の仮想空間上の土地をNFTで販売した。売り出した33区画の土地は、販売開始から約8分で完売した。
コインチェックは5日夕、所有していた「The Sandbox」ゲーム上の土地の一部を33区画(区画はLANDと呼ばれている)に分けて、同社が運営するNFTマーケットプレイスの「Coincheck NFT」で販売した。33のLANDは、それぞれが出品されてから3秒以内に買い手が決まり、8分8秒で全てを売り上げた。
コインチェックは3月29日に今回のLANDの販売計画を発表していた。LANDはThe Sandboxの中での区画で、複数のLANDを組み合わせた土地は「ESTATE」と呼ばれる。3月の発表では、コインチェックは1区画(LAND)を0.7イーサリアムで販売するとしていた。1イーサリアムは現在、約2125ドル(約23万円)。
コインチェックは今後、The Sandboxなどのブロックチェーンゲームで利用できるNFTや、デジタルアートやスポーツにおけるNFTの取り扱いを増やしていく。
NFT市場をけん引する日本企業
NFTはノンファンジブル・トークンのことで、プロスポーツ選手のカードや、仮想空間の土地、デジタル・スニーカー、デジタルアートなどのコレクターが収集する多種多様でユニークな有形・無形のアイテムを表すデジタル資産。
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コインチェックはNFTの取引サービスを展開しながら、M&A(合併・買収)と提携戦略を通じてNFT事業の拡大を進めている。2月には、NFTマーケットプレイス「miime」を展開するメタップスアルファを買収している。
また、欧州のサッカークラブが発行するファントークンを取引できるプラットフォームを運営するchilizとの連携も開始している。chilizのプラットフォーム「Socios.com」で利用できるNFTを、コインチェックの「Coincheck NFT」で取り扱う方法などを検討している。
The Sandboxは、マインクラフトなどのシミュレーションゲームに似ていて、LANDを購入・レンタルすることで、独自のゲームやアイテム、キャラクター、サービスを作ることができる。
ダウンロード数は約4000万回で、月間アクティブユーザー数はピーク時で100万人を超えるという。また、The Sandboxの制作企業は昨年3月に、スクウェア・エニックスなどから約2億円の出資を受けている。
|編集:佐藤茂
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