イーサリアム上に構築された証券取引所、6月に1号企業上場へ

イーサリアム上に構築された証券取引所、スプリンクルエックスチェンジ(SprinkleXchange)に今年6月、最初の企業が上場しそうだ。

スプリンクル・グループ(Sprinkle Group)のCEO、アレクサンダー・ウォーリン(Alexander Wallin)氏は、「我々は、先駆者になるという贅沢を味わえますが、この市場が今後競争が激しくなることも承知しています」と語っている。ブルームバーグが 2019年5月17日(現地時間)に報じた。

バーレーンに拠点を置く同社は、同国中央銀行のレギュラトリー・サンドボックス内で運営され、その分散型清算・決済システムは時間とコスト削減のために自動化されている。価格は、オランダ型オークション方式で決められ、同社はその1パーセントを手数料として徴収する。

上場にかかるコストはスウェーデンの証券取引所とあまり変わらないが、「世界からのアクセスが得られる上に、より高い流動性を得られるだろう」とウォーリン氏はブルームバーグに語っている。

スプリンクルエックスチェンジは、時価総額が2000万ドル(約21億9000万円)から2億ドル(約219億円)の企業を対象としており、今後1年で35社、数年後には1000社ほどの上場を計画している。また上場株だけでなく、仮想通貨の取引も提供する予定で、将来的には、ETF(上場投資信託)も上場させる見込み。

現在、いくつかの証券取引所が自社プラットフォームにブロックチェーン技術を導入しようと動いている。例えば、スイスの証券取引所(SIX)は、取引速度を向上させるためにブロックチェーン・プラットフォームを今年展開すると見込まれている。一方で、ジブラルタル証券取引所は、最近トークン化証券を上場させ始めた

オーストラリア証券取引所は、フィンテック企業デジタル・アセット(Digital Asset)が提供するブロックチェーン技術を用いて、今まで使用してきた清算・決済プラットフォーム「CHESS(Clearing House Electronic Subregister System )」を再構築している。他には、ジャマイカタイスペインの証券取引所もブロックチェーン・仮想資産関連のイニシアチブを発表している。

翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Bahrain image via Shutterstock
原文:Ethereum-Based Stock Exchange Plans First Company Listing in June