暗号資産は金融安定性への潜在的脅威:FRBリサーチ

証券会社や投資家、政治顧問、学者の間では、既存の金融システムの安定性にとって、暗号資産(仮想通貨)と法定通貨に連動するステーブルコインは潜在的な脅威になりつつあるとの見方が増えてきている。米連邦準備制度理事会(FRB)が市場関係者を対象に行った調査で判明した。

FRBが調査した24人の専門家のうち、約20%が金融安定性への潜在的リスクとして「暗号資産/ステーブルコイン」をあげた。調査結果は6日に発表されたFRBの金融安定性についての半期レポートに含まれている。

注目すべきは、FRB自体はリスク分析の中で暗号資産に言及していないことだ。昨年11月に発表された前回のレポートでも、暗号資産とステーブルコインのどちらにも言及していない。

今回の調査で、リスクのトップになったのは「ワクチン耐性を持つ変異ウイルス」、次いで「実質金利の急上昇」と「インフレの急激な進行」だった。

またFRBは「複数の資産の評価は、過去の水準と比べて上昇している」と指摘。これはジェローム・パウエルFRB議長が先週、「資本市場ではややバブルの兆候が見られる」と述べたことを反映している。

パウエル議長のコメントは、ドージコイン(DOGE)に言及した記者の質問に答えたものだ。ドージコインは年初の60セントから120倍以上になり、時価総額は10兆円に近づいている。

一方、ビットコイナーの中にはFRBを金融安定性に対する潜在的脅威と見なしている人もいる。FRBによる数兆ドルの景気刺激策が大幅なインフレにつながる可能性があると懸念している。

出典:Federal Reserve

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Federal Reserve
|原文:Crypto Now Viewed by Some as a Threat to Financial Stability, Fed Survey Finds